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パナソニックなど投入の「全熱交換機」好調 室温保ちながら換気、感染対策も

 新型コロナウイルスの感染対策で室内の換気が重要視されるようになり、家電・空調メーカーが「全熱交換器」の販売に注力している。窓や換気扇での換気は冬や夏に室温をどう維持するかが課題。全熱交換器は温度や湿度をある程度保ちながら換気でき、店舗や病院向けなどで業務用の販売が好調だ。メーカーは、感染対策もアピールできる製品を開発するなど工夫を凝らす。(山本考志)

娘との遊びがヒント

 業務用の本体価格は10数万円が主流で、高い製品は数十万円するものもある。住宅用は数万円からあり、家庭で取り付けるのハードルも高くない。

 ロングセラー商品は、三菱電機が昭和45年、他社に先駆けて発売した「ロスナイ」だ。同社はビルや店舗、住宅用などとラインアップをそろえ、欧米などでも展開している。国内シェアは業務用で7割、住宅用で5割を占める。

 換気システムの中核部分は紙の層で、換気するとき室内からの排気を通す層と室外からの給気を通す層を交互に重ねた構造となっている。

 夏場の換気のときは、空調で冷えた室内からの空気(排気)の涼しさを回収する。屋外から取り込んだ熱い空気(給気)に涼しさを移して冷やし、室内に送風する。給気が冷えているので、室内の気温は上がりすぎず、気温を下げるために気温が余分なエネルギーを使う必要もない。

 反対に冬場は排気の温かさを回収し、給気に移す。紙の層は湿気を交換し、室内の湿度変化を抑えることもできる。同社の設計者が娘と紙の筒に息を吹き込んで遊んだとき、息のぬくもりが手に伝わったことに着想を得て開発した。

次亜塩素水を生成

 平成15年の建築基準法の改正では、健康のため住宅に機械換気設備を設置することが義務付けられた。ロスナイは、給気と排気を同時に行う「第一種換気」の製品としてマンションなどへの導入が進んだが、令和2年は新型コロナの感染拡大で気温が高まる夏ごろから店舗や病院など向けの需要が高まった。2年7月~3年4月の業務用の販売台数は前年同期比で4割ほど増えたという。

 ロスナイには呼吸で高まる二酸化炭素(CO2)濃度をセンサーで測定して換気風量を自動制御する製品もある。同社の担当者は「換気で空気が入れ替わることが伝わるように、施設利用者にもCO2濃度が見えるような製品も発売しており、販売が好調」としている。

 一方、パナソニックは、全熱交換器にウイルスの飛散を抑える加湿機能を加え、空調と連携する住宅向けシステムを開発した。同社の空間除菌脱臭機に使われる次亜塩素酸水溶液の生成装置も組み込める。大気汚染の問題で空気の質への関心が高まる中国市場で4月に住宅向けを発売。日本市場では今後、店舗や病院向けを投入する。

国内出荷増、11・5万台

 ダイキンは2年9月、すでにある建物にも取り付けやすい、露出して設置するタイプの全熱交換器「ベンティエール」を発売した。天井などに隠していた装置や配管を、あえて施設の利用者に見せるよう設置し、感染対策をとっていることをアピールできる。

 飲食店やクリニック、ドラッグストアなどから注文が急増しており、2年4~12月期には国内で全熱交換機のシェアを拡大。高橋孝一常務執行役員は「全般的に換気関連商品への関心が高く、従来伸びていなかった商品が伸びている」として、今夏以降も全熱交換器や換気機能が付いたエアコンなどの拡販に注力する方針を示した。

 メーカーが加盟する日本冷凍空調工業会によると、令和元年度の業務用全熱交換器の国内出荷台数は11万5409台で前年度比5・8%増。2年度はさらに伸びる見込みとなっている。工業会は「業務用の全熱交換器は感染対策として、店舗などに後から設置できるタイプの需要が特に高まった。地球温暖化対策の機運も高まり、各メーカーは省エネ性能と合わせてアピールし販売を強化している」としている。

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