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企業の回復「K字」鮮明 1~3月期GDPマイナス 景気回復の裾野拡大を

大阪・ミナミの商店街。シャッターを下ろし休業の張り紙が貼られた店舗も=18日午後3時58分、大阪市中央区(彦野公太朗撮影)
大阪・ミナミの商店街。シャッターを下ろし休業の張り紙が貼られた店舗も=18日午後3時58分、大阪市中央区(彦野公太朗撮影)

 令和3年1~3月期の国内総生産(GDP)速報値は3四半期ぶりにマイナス成長へ転じた。企業は業種によって回復が二極化する「K字型」が鮮明で、製造業が過去最高益をたたき出す一方、百貨店や外食、ホテルは2度目の緊急事態宣言で「人流」が止まり打撃を受けた。「K字型」を緩和して景気回復の裾野を広げなければ、経済全体の回復は見込めない。

百貨店、外食悲鳴

 「新型コロナ流行前のレベルに人の流れを戻すのは2年くらいかかるのでは。インバウンド(訪日外国人客)の往来も来年以降にならないと難しいとみている」

 こう語るのは、3年2月期の連結決算が大幅な最終赤字となった高島屋の村田善郎社長だ。

 「感染対策にいくら手を打っても先が見えない」

 リーガロイヤルホテル(大阪市)などを展開するロイヤルホテルの坊傳(ぼうでん)康真(やすちか)執行役員財務部長も、旅行や宴会の自粛の広がりに不安を募らせる。リーガロイヤルホテルは、昨年10月から今年3月までの平均客室稼働率が29・6%だった。

 1~3月期は新型コロナウイルス拡大で首都圏、関西圏などに2度目の宣言が出たため、とくに小売りや外食、サービス業を直撃。居酒屋チェーンの鳥貴族ホールディングス(HD)も1、2月の既存店売上高が前年同月比で約6~7割減と苦戦し、運輸もJR東日本やJR西日本、大手私鉄が最終赤字に沈んだ。

巣ごもりでゲーム好調

 一方で好調な企業もあり「業界によって二極化してきている」(三菱UFJ銀行・谷口宗哉副頭取)。

 たとえば、中国などの回復基調を受け、製造業は堅調ぶりが明らかだ。村田製作所は第5世代(5G)移動通信システムの普及に伴い、スマートフォン関連の部品で経済回復が早まった中華圏からの受注が増えるなどし、3年3月期連結決算は売上高、本業のもうけを示す営業利益がいずれも過去最高となった。

 また、巣ごもり需要で主力ゲーム機やゲームソフトの記録的なヒットを見せた任天堂も、最終利益が前期比85・7%増で過去最高益を更新した。

今後よりはっきり?

 こうした業況の二極化は「K字型」回復と呼ばれる特徴だ。りそな総合研究所の荒木秀之主席研究員は「1~3月期でK字の傾向がより鮮明になった。4~6月期はさらにはっきりする可能性がある」と指摘する。5Gや電気自動車など成長産業向けに製品を扱う製造業は好調が続く一方、個人消費は外出控えで依然厳しいからだ。

 また、関西経済の場合は半導体不足のあおりなどを受ける自動車産業の割合が低く、回復しやすい製造業が多い。一方、都市部を抱えるだけに消費が多く、落ち込んだときの規模が大きい。このため、全国に比べてもK字の傾向が出やすいという。

 荒木氏は、経済全体の回復を期待するには、ウェイトの大きい個人消費の回復が重要とし、「ワクチン接種の拡大と所得環境の改善がポイントになる」とする。ワクチンで感染拡大を食い止めると同時に、業績が悪化している企業の倒産や給料引き下げを防ぎ、雇用や所得の環境を改善させることが求められる。

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