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東芝は営業益2割減 コロナ響く、「稼ぐ力」の育成急務

東芝本社が入るビルの近くに掲げられた「TOSHIBA」のマーク=東京都港区
東芝本社が入るビルの近くに掲げられた「TOSHIBA」のマーク=東京都港区

 東芝が14日に発表した令和3年3月期連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が前期比20・0%減の1044億円だった。新型コロナウイルス感染拡大で利益が965億円押し下げられた。同社は4月中旬に車谷暢昭前社長が辞任するなど経営の迷走が続く。今期は増益を予想するが、「稼ぐ力」の育成だけでなく株主との関係改善も課題で、後任の綱川智氏は難しいかじ取りを求められている。

 3年3月期の最終損益は1139億円の黒字(前期は1146億円の赤字)と2年ぶりに黒字転換した。物流子会社の売却益や、前期に米液化天然ガス(LNG)事業売却で巨額の損失を計上した反動が要因。売上高は前期比9・9%減の3兆543億円だった。

 4年3月期の営業利益は同62・8%増の1700億円、売上高は同6・4%増の3兆2500億円を見込んでいる。

 同社は3年3月期以降を再生の「第2段階」と位置づけ、「インフラサービスを核に力強い成長」を遂げるとしていた。だがコロナ禍の打撃は同社にとっても大きく、むしろ営業利益を減らす結果となった。

 4年3月期の営業利益についても以前は2400億円を計画していたが、今回公表した予想は1700億円と事実上、下方修正された。綱川氏は14日の記者会見で「新型コロナや米中貿易摩擦など外部環境が変わっている」と説明。10月に7年3月期を最終年度とする3カ年の新中期経営計画を公表する方針を明らかにした。

 同社は1月に東証1部復帰を果たしたものの、収益力は同業の日立製作所に比べ大きく見劣りする。綱川氏は会見で、経営が安定した後に次世代へ引き継ぐ方針を明かし、新中計発表から遠くない時期の退任を示唆したが、いずれにしても本業育成は急務だ。

 株主との関係改善も求められている。車谷氏は事業構造改革を主導し、一定の業績回復を果たしたが、企業統治や成長戦略をめぐり同社株の2割超を保有する「物言う株主」と対立。それが遠因となって辞任に追い込まれた。

 綱川氏は車谷氏が進めた再生プランの「コンセプトを踏襲する」とした上で、「(株主などと)もう一度信頼関係を構築できるよう努力する」と強調。1500億円の追加株主還元も発表したが、株主からさらなる譲歩を求められる可能性もあり、6月下旬にも開かれる定時株主総会では波乱の展開も予想される。(井田通人)

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