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外食チェーンが苦渋の値上げ コロナ禍のコスト増を吸収

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 4月1日から消費税込みの支払総額の店頭表示が義務化されることにあわせ、外食チェーンで価格改定の動きが出ている。ハンバーガーチェーン「モスバーガー」や、うどんチェーン「丸亀製麺」は4月1日に価格を改定。新型コロナ禍で上昇したコストを価格に反映させる値上げに踏み切る。ただ、価格改定は消費者離れを招く懸念もあるだけに、各社にとっては苦渋の決断だ。

 「商品とサービスの品質維持のため、メニュー価格を一部変更させていただきます」

 今月に入り、モスバーガーの一部店舗には、値上げを知らせるこんなお知らせが張り出されている。

 モスバーガーを展開するモスフードサービスは4月からの税込み価格表示の義務化を受け、「本体価格+税」の価格表記を廃止。これに伴い持ち帰りと店内飲食の税込み価格を一本化し、全メニュー116品目のうち70品目を値上げする。

 4月からの税込み価格は「モスバーガー」が390円。現在の持ち帰り時の税込み価格(370円)と比べると20円の値上げだ。70品目の値上げ幅は10~50円で、今年2月の販売数量に基づく試算では2%の増収になる。

 また、丸亀製麺も4月から地域・期間限定の商品を含めた全商品のうちの約25%の商品で10~30円の値上げを行う。創業以来の看板メニュー「釜揚げうどん」など基幹3品は据え置くが、改定効果で1~2%の増収が見込まれている。

 4月1日からの税込み価格表示に合わせた値上げの背景にあるのはコロナ禍に伴う消費行動の変化だ。

 モスバーガーは値上げの理由について「コロナ禍で持ち帰り販売比率が高まり、レジ袋など包材コストも増加。原材料費や人件費の高騰の中で自助努力での吸収が難しくなった」と説明。丸亀製麺を運営するトリドールホールディングス(HD)は「店内で客席の感染対策や持ち帰り客の対応をするスタッフを新たに配置したため、人件費が増えた」とする。

 しかし、ただでさえ値上げ感が出る税込み価格表示と、コスト吸収のための値上げを重ねることは企業側にとっては苦渋の決断だ。

 串カツチェーン「串カツ田中」は3月24日にメニュー全体の約9割を税抜き価格ベースで平均約10円値上げ。付加価値の向上を目指した揚げ衣の変更で原材料費が上昇したのが理由だが、貫啓二・串カツ田中HD社長は「本音を言えば本体価格だけを(メニューに)出したい」と漏らす。

 一方、大手企業の中ではカジュアル衣料品店「ユニクロ」のように税込み価格表示義務化を前に値下げを決断したケースもある。三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部の藤田隼平研究員は、価格を改定しない企業も多いことを踏まえ、「企業にとって価格設定は重要な戦略のひとつ。消費者の反応や競合する他社の動向も踏まえながら試行錯誤をしていく形になる」とみている。

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