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増えるキッチンカー コロナ下で飲食店が活路 支援ビジネス拡大

 新型コロナウイルス感染拡大で苦境にある飲食店が、移動店舗の「キッチンカー」に活路を見いだしている。既存の店舗と比べて感染リスクが低く、味が確かならどこであっても歓迎されるからだ。遊休地の有効活用にもつながるとあって、専用車や出店場所の確保などで飲食店を支援するビジネスが広がり始めた。(粂博之)

コロナ前より好調

 「1年で1・4倍に増えた」。平成28年2月から、キッチンカーと出店場所をマッチングするサービスを展開しているMellow(メロウ、東京)の登録車は今年、千台を超えた。「雇用維持のため、キッチンカーを3、4台稼働させる店もある」という。

 以前の出店場所はオフィス街が中心だったが、コロナ後はマンション前など住宅街にも広がっている。東京都のある洋食店は、昼はオフィス街、夕方は住宅街と移動して営業し「コロナ前と比べて売り上げが4倍になった」。

 メロウは車両の調達や経営相談で支援し、お客向けに出店場所や時間が分かるスマートフォン用アプリも開発した。店側が支払う手数料は売り上げの15%で、場所の賃料も含まれる。

 出店場所をさらに確保するため、今年2月には空き駐車場を融通し合うシェアリングサービスで全国4万カ所以上を網羅するakippa(アキッパ、大阪市)と手を組んだ。同社もキッチンカー支援に乗り出したばかりだった。

ノウハウ蓄積

 「飲食店に入らなくても、温かいできたてのものが買えてよかった」「定期的に来てほしい」

 昨年12月、東京・池袋と大阪市浪速区に、それぞれタイ料理、イタリアンのキッチンカーが開業すると、近隣のオフィスやマンションから人が集まってきた。空き駐車スペースを生かしたアキッパの実証実験だ。

 飲食店からは「これが活路になるかも」と期待する声が聞かれ、スペースを有償で貸し出した事業者も「駐車場の利用が減っていたので助かった」と歓迎した。

 一方で、電源やトイレの確保▽事前告知や宣伝▽衛生面の許認可取得-などのノウハウに不安が残り、事業拡大のためメロウとの連携を決めた。

真剣勝負

 この流れに大手も注目する。令和元年9月からキッチンカー支援事業の可能性を探る実験を進めてきたハウス食品グループ本社は今年3月、本格展開に踏み切った。「新規参入組でも、経験のあるキッチンカーと遜色ない販売実績をあげられる」と分かったからだ。

 車両レンタル、仕込み用キッチンの利用などは無料。契約や事務作業もハウスが担い、「飲食店は初期費用無料でキッチンカーを運営できる」。ハウスへの手数料は売り上げの25%だ。実験は東京都内8カ所で行い、参加は延べ46社にとどまった。規模拡大と全国展開を視野に入れ、アキッパとの提携を決めた。

 今後、神出鬼没のイメージも強いキッチンカーのある風景が普通になるかもしれない。場所によっては複数の飲食店が曜日を決めて交代する。どの店が支持を得るのか。街のあちらこちらで実力勝負が始まりそうだ。

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