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聖火リレーに“水素トーチ”が登場 次世代エネを国内外にアピール

水素トーチ同士で炎を受け継ぐ「トーチキス」が行われた=3月25日午後、福島県浪江町
水素トーチ同士で炎を受け継ぐ「トーチキス」が行われた=3月25日午後、福島県浪江町

 25日に福島県でスタートした東京五輪の聖火リレーで、同県浪江町内のコースで五輪史上初めて水素を燃料としたトーチが使われ、次世代エネルギーの活用を重視する日本政府の姿勢を国内外にアピールした。政府は「2050(令和32)年脱炭素化」を表明し、具体策を定めた「グリーン成長戦略」でも二酸化炭素(CO2)を排出しない水素の活用を重点項目に掲げる。ただ、コストやインフラ面での課題も多く、脱炭素社会実現を目指して日本経済を引っ張る政府の指導力が試される。

 「水素は脱炭素化に向けた活用が大いに期待されているエネルギー。水素トーチが用いられ、運営車両としても燃料電池車(FCV)が使われる聖火リレーは日本の水素関連技術を世界にPRするチャンスだ」

 今回、トーチに使う水素を供給し、東京五輪のゴールドパートナーでもある石油元売り最大手、ENEOS(エネオス)の担当者はこう喜ぶ。

 同社が提供する水素は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)を中心に昨年3月、浪江町に開設した「福島水素エネルギー研究フィールド」で製造されたものだ。約7万枚の太陽光パネルで発電した電気で水を分解して水素を製造する世界最大級の拠点で、日本の水素戦略の要ともいえる。

 また水素を使うトーチは複数の日本企業がチームを組んで開発。ランナー交代時に聖火をトーチからトーチに引き継ぐ「トーチキス」などを確実に行えるよう、数年かけて軽量化のための改良が加えられた。水素トーチで約200メートル走った池田泉さん(48)は「ずっしり、心地よい重さだった」と笑顔をみせた。

 政府はグリーン成長戦略で、水素を発電や産業、運輸などに幅広く活用される「カーボンニュートラルの鍵となる技術」と位置付け、30年に最大300万トン、50年に2千万トン程度を導入することを目指している。一方、現状では水素価格の高さや、普及が遅れているFCVの価格引き下げによる導入量増加といった課題があるほか、水素ステーションなどのインフラ整備強化も必須だ。

 梶山弘志経済産業相は「安価で豊富な水素供給に向け、海外との連携や国内でも作っていく(体制を整える)」と意欲を示す。ただ、大量供給に向けた本格的な社会実装などはまさにこれから。FCVにとどまらず、製鉄などを含めた製造業での利用などいかに用途を拡大でき、実際に大幅なコストダウンを図れるかが問われる。(那須慎一、水内茂幸)

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