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シニア活用で若手の雇用に懸念 罰則なし、企業の対応鈍く 4月の雇用制度改革

 4月から70歳までの就業確保措置も始まるが、企業にとっては当面は努力義務にとどまり、違反しても罰則がないため、企業の対応は鈍い。日本商工会議所が昨夏に実施した中小企業約3千社への調査によると、新制度の内容を知らない企業が55・1%にも上り、理解の遅れが浮き彫りになった。

 企業の間には長期的な人材戦略に対する悪影響への不安もある。約500社の顧客を抱える社会保険労務士の大槻智之氏は「正直いって企業の関心は薄い。下手に対応しすぎると、将来的に若手の採用を絞り込むことにもなりかねない」と指摘する。

 一方、平均寿命の伸びを背景にして、働き手の側には「長く働きたい」というニーズも根強い。厚生労働省が20歳以上を対象に、平成30年7月に実施した意識調査では、「65歳まで働き続けたい」が24・9%、「70歳まで」が19・4%を占めた。「生涯働き続けたい」との回答も7・8%あった。

 また、企業側にも若年世代の人口が先細りして人手不足が深刻化することへの懸念はある。このため70歳までの就業確保には経験豊かなベテラン社員を確保できるメリットがある。

 こうした中、人材大手のパソナは今年2月、70歳就業に対応する企業を支援する「セーフプレースメント・トータルサービス」を始めた。シニア社員の多様な人生設計に対応して個別カウンセリングを行うほか、自社の社会貢献事業に従事するなど、非雇用型の働き方を選ぶ人に向け、起業家との交流や社会貢献活動体験などのプログラムを組み合わせる。年下の上司や人事担当者向けの研修も提供していくという。

 キャリア支援事業本部の西谷誠専務執行役員は「大手企業はバブル期に入社した50代半ばの社員の層が厚い。バブル入社組のシニア入りと、努力義務の70歳就業が義務化されるタイミングが重なる可能性もある」と強調し、企業側に早め早めの対応を呼び掛けている。(桑原雄尚)

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