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宣言解除でも拭えぬ景気の先行き不透明感 五輪控え「自粛」復活も 

首相官邸=東京都千代田区
首相官邸=東京都千代田区

 政府は18日、緊急事態宣言を全面解除する方針を決めたが、景気の先行き不透明感は拭えない。東京五輪開会を約4カ月後に控え、今後も感染拡大の兆候があれば飲食店などへの自粛要請が再び強まる恐れがあるからだ。新型コロナウイルス対策が“政争の具”と化したことで、行動規制がいつまた始まるか分からない不安もあり、家計や企業のリスク回避が強まれば経済の停滞が長引きかねない。

 「都市部では再拡大が生じ始めているのではないか」。厚生労働省の専門家組織では既に感染「第4波」を警戒する声が出ている。“自粛疲れ”で主要な駅や繁華街では人出が増え、大都市圏の感染者数は3月上旬から増加傾向だ。

 一方では25日に東京五輪の聖火リレーが始まる。大会中止や再延期を求める声が強まる中でも政府が開催を最終判断した場合、至上命題となるのは7月23日の開会式まで感染拡大を防ぐことだ。改正特別措置法で新設した「まん延防止等重点措置」では、宣言発令前でも飲食店に時短営業を命じる権限などを首相が都道府県知事に与えられるため、解除後も自粛要請が強まる可能性は高い。

 みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミストは、「多くの事業者は『この先も何をされるか分からない』との強い不透明感を抱えているのでは」と指摘する。今月7日から2週間の宣言延長などでは、1都3県の知事と政府の主導権争いが表面化。病床の逼迫度合いといった科学的基準より、政治力学が優先された印象があるからだ。

 根拠が薄い行動規制が繰り返されれば個人や企業は消費や設備投資に慎重になる。10万円の特別定額給付金や外出自粛で積み上げられた家計貯蓄の“マグマ”も火を噴かないままだ。

 日本経済は4月から回復基調に戻り、令和3年度末までにコロナ前(元年10~12月期)水準に戻るとも指摘される。ただ、自粛要請の限界が見え始めた中、ワクチン普及前に感染第4波が強まれば経済を下押ししかねない。政府は行動規制のみに頼るのではなく、将来不安の払拭や国民の納得感の醸成にこそ尽力する必要がある。(田辺裕晶)

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