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待遇改善が経営者へ「新たな圧力」 日本総合研究所の山田久主席研究員

 新型コロナウイルス禍の春闘となった集中回答日。回答をみる限り、製造業の業績が持ち直したこともあり、想定したシナリオの中では悪くない結果といえる。ただ今後の回答状況次第では、全体で2%の賃上げを維持するのが難しい情勢だ。政治が賃上げを推し進めてきた官製春闘は事実上、終わりを告げたといえる。

 一方、官製春闘で加速していた賃上げの機運は弱まったにせよ、なくなってはいない。官製春闘という期間を経て、経営者の意識にも変化がみられている。経済のグローバル化の中で、国内市場や個人消費に対する配慮、優秀な人材獲得のための従業員の待遇改善の必要性など、政府の賃上げ要請に代わる新たなプレッシャーがあるためだ。

 こうした中、今回の春闘は官製春闘の終わりという節目を迎えながら、新たな労使交渉の在り方を模索する機会になったといえる。

 そもそも官製春闘以前も典型的な賃金テーブルを底上げするベースアップ(ベア)は機能しなくなっており、さまざまな待遇改善を各企業が模索していた。官製春闘で中断していたこの模索が、新たに始まったように思える。

 成果主義の議論も出てきたが、底上げとのバランスをどうするかは今後の課題になる。これまで労働組合はベアの交渉を熱心にしてきたが、成果配分に関しても積極的に提案するなどの関与が求められるのではないか。賃上げ機運のある今のうち、労使で方向性を見定めることが重要だ。(談)

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