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米国産牛肉の輸入量が「セーフガード」発動基準に迫る 2月下旬で96%、3年8カ月ぶりの発動に現実味 国内影響は限定的か

 米国産牛肉の輸入量が、輸入急増時に国内産業への損害を防ぐために一時的に関税を引き上げる「セーフガード(緊急輸入制限=SG)」の発動基準に迫ってきた。令和2年度の累計輸入量は2月下旬時点で、日米貿易協定に基づくSG発動基準の約96%に到達。牛肉では約3年8カ月ぶりとなるSG発動が現実味を増す。ただ実際に発動されても期間の短さなどから国内の外食業界などへの影響は限定的ともみられている。

 財務省によると、2年度の米国産牛肉の累計輸入量は2月下旬時点で23万3112トン。日米協定では2年度のSG発動基準を24万2000トンとしており、その差は9000トンを切った。3月上旬時点の数値は17日、中旬時点は26日、下旬時点は4月7日に財務省が公表する。

 3月下旬時点の分までに累計輸入量がSG発動基準を超えると、財務省の数値公表日の翌日からSGが30日間発動され、米国産牛肉に対する関税率は現在の25・8%から、日米協定発効前の38・5%に上がる。日本は現行とは異なる措置のもとで、平成29年8月1日から30年3月末まで米国産などの冷凍牛肉にSGを発動しており、今回発動すれば牛肉ではそれ以来だ。

 発動された場合、発動基準を一層高いものに調整するため、日米は10日以内に協議を始め、90日以内に終えることが、日米協定の交換公文(サイドレター)で規定されている。

 米国産牛肉の輸入が堅調な背景には、日本市場でのライバルであるオーストラリア産牛肉の減少がある。干魃(かんばつ)続きで飼料となる牧草の育ちが悪く、豪州の牛肉生産量が減る一方、米国の牛肉生産量は好調で豪州産の代わりを担っている。また、日米協定で牛肉の関税率が、先行して発効した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)と同水準まで下がったことも追い風だ。

 SG発動の場合、国内では米国産牛肉を主に使う牛丼チェーンなどの外食業界、食品スーパーなどへの影響が注目される。ただ、発動期間が30日間と短い上、外食業界や輸入業者は発動を見越して在庫を積み増すなどの準備をしているとされ、業界関係者は「大きな影響はないのでは」と指摘する。(森田晶宏)

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