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中国、五輪でも「ワクチン外交」 提供申し出、人権批判の払拭狙う

中国外務省の趙立堅(ちょう・りつけん)報道官(共同)
中国外務省の趙立堅(ちょう・りつけん)報道官(共同)

 【北京=三塚聖平】東京五輪・パラリンピックの出場者らに新型コロナウイルスのワクチンを提供すると申し出た中国は、人権問題をめぐり悪化した国際イメージを改善するため「ワクチン外交」を五輪の場にも広げようとしている。来年2月に北京冬季五輪を控える中で支援をアピールし、国際オリンピック委員会(IOC)や日本と連携を深め、五輪開催を確実にする思惑もうかがわれる。

 中国外務省の趙立堅(ちょう・りつけん)報道官は12日の記者会見で、東京五輪参加者へのワクチン提供について「IOCや関係国と、具体的な意思疎通や調整を進める」と説明。提供時期や数量などについては「具体的情報はまだない」と述べるにとどめた。

 7日には王毅国務委員兼外相が「IOCと協力し、五輪に参加する選手にワクチンを提供したい」と表明していた。中国は、国際社会での影響力拡大を狙ってワクチンの無償提供を進めており、今回もそうした動きの一環とみられる。

 中国は、東京五輪の開催準備を注視し協力姿勢も見せる。今夏に東京五輪を順調に開催できなければ、それから約半年後の北京五輪も危うくなるからだ。

 北京五輪をめぐり、ボイコットや開催地変更を求める声が相次いでいる事情もある。新疆ウイグル自治区などでの人権抑圧を批判しての動きで、バイデン米政権も米国の参加について「最終決定していない」と慎重な姿勢を見せる。中国外務省は「スポーツの政治化は、五輪憲章の精神に反する」と牽制(けんせい)。ワクチン提供で五輪への貢献姿勢を示し、ボイコット論を打ち消す狙いもあるとみられる。

 中国製ワクチンは、臨床試験(治験)の最終データを開示していないといった不透明さから、欧米などで安全性が疑問視されている。フランスのマクロン大統領は2月、中国製ワクチンに関する科学的な情報が「全くない」と批判している。ただ、ワクチン確保に苦しむ途上国が入手に動いており、中国はこれまでに69カ国にワクチンの無償提供を行ったと説明している。

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