PR

ニュース 経済

総務省内に組織風土問う声、繰り返される倫理違反

衆院予算委員会で総務省幹部接待問題について答弁する武田良太総務相=25日午前、国会・衆院第1委員室(春名中撮影)
衆院予算委員会で総務省幹部接待問題について答弁する武田良太総務相=25日午前、国会・衆院第1委員室(春名中撮影)

 菅義偉首相の長男・正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」による接待問題で24日、次期事務次官と目されていた谷脇康彦総務審議官(60)をはじめ、7人が減給となり、計11人が処分を受けた。度重なる接待の実態に、公務員に求められる倫理を軽視しているとの厳しい指摘や、総務省の組織風土を問う声もある。総務省は放送のほか、携帯電話などでも大きな権限を持つ。コンプライアンス(法令順守)の立て直しが急務だ。

 「強い疑念の目が向けられたことを重く受け止め、信頼回復に努める」

 武田良太総務相は会見で苦しい釈明に追われた。

 利害関係者からの接待は、一般的な国家公務員の処罰根拠となる国家公務員法とは別に、国家公務員倫理法で特に厳しく規制されている。近畿大学経営学部の中谷常二教授は「今回は回数、人数ともに多く、組織としての危機管理意識が低い」と指摘する。

 相手が利害関係者にあたるという認識がなかったと幹部らが答えたことも「倫理法は公務員が当然知っているべきもの」(中谷氏)と批判する。総務省の担当者は「ルールは知っているが(届け出などを)やるという意識がなかった。緩んでいるところもある」と述べ、省内で規制が形骸化していることを認めた。

 国家公務員倫理法は、金融機関が官僚や日銀職員らを風俗店などで接待していたことが明るみにでたことをきっかけに、平成11年に制定された。20年には、深夜帰宅でタクシーを使う際に運転手から現金やビールなどを受け取った「居酒屋タクシー」問題が発覚。同問題では、17省庁・機関の約1400人が金品を受け取っていたことが判明し、150人超が倫理規程違反で処分された。この他にも問題が発覚し、20年は処分人数が膨れあがった。

 その後も文部科学省の科学技術・学術政策局長が30年、息子を東京医科大に入学させる見返りに私立大学への支援事業で便宜を図ったとして受託収賄罪で逮捕された。局長級官僚が相次いで逮捕され、事務次官が辞職した。

 総務省でも、令和元年12月、保険の不正販売問題で調査を受けていた日本郵政の上級副社長に行政処分の情報を漏(ろう)洩(えい)したとして事務次官が更迭されている。業界関係者は「携帯電話でも料金値下げを迫るなど民業への異常な介入が目立つ。企業との適切な距離感を見失っている」と苦言を呈した。(高木克聡)

関連トピックス

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ