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「紙切符オンリー」の秩父鉄道、ICカードを来春導入

秩父鉄道熊谷駅の改札口で、紙の切符を確認する駅員(右)=16日午前、埼玉県熊谷市(竹之内秀介撮影)
秩父鉄道熊谷駅の改札口で、紙の切符を確認する駅員(右)=16日午前、埼玉県熊谷市(竹之内秀介撮影)
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 埼玉県北部を東西に横断し、秩父地方の行楽の足としても知られる秩父鉄道(総延長71・7キロ)が、来年3月をめどにICカード乗車券を導入する。明治時代から現在に至るまで紙の切符だけを乗車券としており、駅員に切符を見せて改札口を通る昔ながらの光景は秩父鉄道のシンボルとなっている。観光客の利便性向上などに期待が集まる半面、自動改札機の登場で「ぬくもり」が失われるという声も絶えない。

 秩父鉄道によると、ICカード乗車券導入は多額のコストがネックとなり実現に至っていなかったが、国や沿線自治体の補助制度を活用することで資金面のめどが立ったという。15日から一部の駅で自動改札機の設置工事に着手しており、来年春には全37駅でICカード乗車券が使えるようになる見込みだ。

 ICカード乗車券のメリットとして地元の関係者が強調するのは、観光客にとっての利便性向上だ。他の路線からの乗り換えがスムーズになる上、日本語に不慣れな外国人観光客も気軽に利用できるようになる。

 導入を秩父鉄道に要望してきた秩父商工会議所の島田憲一副会頭は「キャッシュレスは世界の流れだ。インバウンド(訪日外国人)需要の拡大も望める」と話す。加えて、新型コロナウイルス感染拡大を背景とする「非接触」への転換の潮流も、ICカード乗車券導入への期待感を後押ししているようだ。

 一方で戸惑いを口にする沿線住民も少なくない。

 埼玉県熊谷市の男性会社員(25)は「便利になるのは大歓迎だが、『昭和レトロ』の雰囲気が失われるのは残念だ」。同県上尾市の70代の女性は「駅員となにげない会話を交わすのは秩父鉄道特有の情緒だった。紙切符のぬくもりがなくなるのはちょっぴりさみしい」と語る。

 秩父鉄道での導入が済むと、埼玉県内を走る鉄道8社全てがICカード乗車券に対応することになる。

(竹之内秀介)

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