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製造業復調が支えるGDP、半導体不足や感染再拡大で失速も

内閣府が入るビル=東京都千代田区(桐原正道撮影)
内閣府が入るビル=東京都千代田区(桐原正道撮影)

 内閣府が15日に発表した令和2年10~12月期の国内総生産(GDP、速報値)は、物価変動の影響を除いた実質で前期比3・0%増、年率換算では12・7%増となった。プラス成長の支え役となっているのが製造業の復調だ。中国経済が立ち直る中で自動車などの生産が回復。新型コロナウイルス感染拡大に伴う巣ごもり消費の増加も、一部メーカーの収益を押し上げている。

 「(10~12月期の)3カ月でみると各地域とも(前年同期比で)営業増益を達成している」

 トヨタ自動車が10日にオンライン上で開いた決算発表会。近健太最高財務責任者(CFO)は直近の経営状況をそう説明した。

 同社の10~12月期は、コロナ禍で落ち込んだ新車販売が主要市場でおしなべて回復。中でも中国は21・8%増の53万台と、「コロナ前」の前年同期を大幅に上回った。

 自動車産業の復調は鉄鋼や化学といった素材産業にも好影響を及ぼしている。3年3月期の本業のもうけを示す連結事業損益が600億円の赤字になるとしていた日本製鉄は、一転して300億円の黒字に上方修正した。宮本勝弘副社長は「足元の需給は非常にタイトだ」と話す。

 一方、巣ごもり消費の拡大は家電やゲーム機の販売を押し上げている。ソニーは3年3月期の連結最終利益が初めて1兆円を超える見通し。在宅勤務の浸透もあってパソコンやスマートフォンも売れており、半導体や電子部品の関連メーカーも業績回復が目立つ。

 製造業の素早い復調については、その要因を日本メーカーが長年取り組んできた構造改革や原価低減活動に求める向きもある。トヨタの近氏はリーマン・ショック時の経験や「(コロナ禍の)こういった状況になり、改めて当たり前のことを見返してやってきた努力の成果」と分析する。

 もっとも、先行きは依然として不透明だ。自動車産業は世界的な半導体不足に直面。日産自動車の内田誠社長は「5~6月には解消できていると思う」と話すが、それ以上長引くようなら回復ムードに水を差しかねない。

 一方、3年1~3月期は緊急事態宣言の再発令で再びマイナス成長となる見通し。感染収束が遅れれば、製造業の収益や設備投資意欲にも悪影響が及ぶのは必至だ。(井田通人)

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