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楽天1141億円最終赤字 携帯値下げ、社員逮捕、IT規制…課題山積

 楽天が12日発表した令和2年12月期連結決算は、最終損益が1141億円の赤字(前期は318億円の赤字)と、過去最大の損失となった。新型コロナウイルス感染拡大で通販サイトの楽天市場の売り上げが伸びたものの、昨年4月に本格サービスを開始した携帯電話事業の設備投資が重しとなった。早期の黒字転換を目指すが、携帯値下げ競争の激化や、営業秘密漏えいでの社員の逮捕、巨大IT企業への規制強化など、懸念材料は多い。

 「モバイルの投資が大きくなっているが、事業には120%の自信がある。4位に甘んじるつもりはない」。会見した三木谷浩史会長兼社長は赤字の要因となった携帯事業について強気の姿勢を崩さなかった。楽天は5年度に携帯事業を黒字化させる目標を掲げるが、これについても「前倒しできる」と明言。しかし、携帯事業の赤字幅は拡大傾向が続く。

 契約数も無料キャンペーン期間中にも関わらず230万件と伸び悩む。基地局が少なく通信品質が劣ることが要因で、楽天は今夏に96%のカバー率にする方針だが、大手のカバー率は99%を超える。

 ライバルにあたるソフトバンクの宮内謙社長はカバー率が96%ではまだ不十分だと指摘。そのうえで同社も携帯事業に参入した当初は「ゴルフ場ではつながらないとかいろいろ言われた」と振り返り、「99%にする3%で兆単位のお金がかかる世界だ」と話す。

 携帯料金の値下げ競争で大手が格安の料金プランを打ち出す中では、月額無制限で2980円という楽天の料金プランの魅力も半減。対抗措置としてデータ利用量に応じて値下げする新たな仕組みの導入も発表したが、さらなる収益悪化要因にもなりかねない。

 1月にはソフトバンクから転職した楽天モバイルの社員(45)が、ソフトバンクの携帯基地局に関する営業秘密を持ち出した不正競争防止法違反容疑で逮捕された。民事訴訟に発展する見通しで、裁判の行方次第では楽天の基地局建設が滞る恐れもある。

 主力の通販事業にも懸念材料はある。2月に巨大IT企業を規制する新法が施行され、出店者に一方的に不利益を強いることを防ぐため、オンラインモール事業者は契約条件を変更する際の事前通知の義務などが課せられた。海外勢との競争が激化する中、素早い意思決定が難しくなる可能性もありそうだ。(蕎麦谷里志)

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