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「巣ごもり消費」でも挽回できず 過去最悪減少

 令和2年の家計調査(2人以上世帯)は月平均の消費支出が過去最悪の減少率となり、新型コロナウイルス禍で注目を集めた「巣ごもり消費」では消費全体の落ち込みは挽回できないことも明らかになった。景気の先行きには不透明感が色濃く、消費の低迷が長引けば物価が継続的に下落する「デフレ」が日本経済の回復を妨げることになる。

 データ分析会社ナウキャストの辻中仁士社長は「(コロナ収束後に)所得が戻っても、“代替商品”で消費者が満足すると継続的に消費の総量が減ってしまうのでは」と危惧する。

 2年の生鮮肉(家庭用)への消費支出は前年比10・3%増加したが、これは飲食店へ行かず自宅などで肉を調理して食べた人が増えたためだ。お店のほうが味や雰囲気を楽しめるが、「家飲み」なら感染防止に加え、出費も抑えられる。消費の低下は人々がこうした低付加価値の安価な代替商品に乗り換えたことが背景にある。

 一方、月平均の実収入は10万円の特別定額給付金の効果もあり、4・0%増の60万9535円と過去最高の増加率を記録した。コロナ禍のダメージは飲食や旅行など対面型のサービス業に偏っており、生活に困っていない人もいるのは事実だ。代替商品の消費増は生活スタイルが変化した側面が大きく、常態化すればコロナ前の消費は戻らない。

 ナウキャストとクレジットカード大手JCBによる消費分析では、緊急事態宣言が発令された昨年春はスーパーで強気の価格設定が多かったが、年明けの再発令後はむしろ価格が低下傾向だという。コロナ禍の長期化で雇用・所得環境が着実に悪化し、需要が減速しているためだ。2年平均の全国消費者物価指数は4年ぶりに前年水準を下回り、物価低下が企業の収益悪化や賃金の下落につながって景気を一層冷やしかねない。

(田辺裕晶)

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