関西財界セミナー、初のオンライン開催 万博向けた技術革新など議論
関西の経済人や学識者らが経営課題や経済政策について意見を交わす「第59回関西財界セミナー」(関西経済連合会、関西経済同友会主催)が4日、開かれた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で初めてのオンライン開催となり、542人が参加した。2025年大阪・関西万博に向けた技術革新やコロナ禍克服への施策などを議論した。
セミナー声明ではコロナ禍での混迷を念頭に「これまで先送りにされてきたさまざまな課題への対応が、まったなしの状況」と指摘。脱炭素への投資で経済回復を目指す「グリーンリカバリー」やデジタル技術でビジネスを変革する「デジタルトランスフォーメーション(DX)」などに取り組み、革新的な技術や事業を創出していくとした。
また、万博で未来社会の姿を発信していくことも訴えた。
6つの分科会では、東京一極集中を是正する地方への分権改革▽コロナを受けた働き方改革-なども議論された。
日程は例年の2日間から阪神大震災が起きた平成7年以来となる1日に短縮された。
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優れた技術やビジネスモデルを持つ企業や個人などを表彰する今年の「関西財界セミナー賞」の受賞者が4日発表され、宝ホールディングス傘下のバイオ事業会社、タカラバイオ(滋賀県草津市)が大賞に選ばれた。新型コロナウイルス感染の有無を1時間以内に判定するPCR検査試薬、装置を製造販売した点などが評価された。
特別賞は、子供食堂を運営するNPO(特定非営利活動)法人「西成チャイルド・ケア・センター」(大阪市)の川辺康子代表理事と、お好み焼き店を展開する千房ホールディングス(同市)が選ばれた。
輝く女性賞は平安伸銅工業(同市)の竹内香予子社長ら3人と1社が受賞。竹内社長は産休や育休を取得するなど社内の模範となったことなどが評価された。