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〈独自〉南アルプス環境保全基金創設へ 静岡県、リニア新幹線の着工主張を“補完”

南アルプス奥地に向かう林道の脇を流れる大井川=昨年7月、静岡市葵区田代(田中万紀撮影)
南アルプス奥地に向かう林道の脇を流れる大井川=昨年7月、静岡市葵区田代(田中万紀撮影)

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)のエコパークに登録されている南アルプスの価値を再認識してもらおうと、静岡県が環境保全のための基金を創設する方針を固めたことが2日、分かった。南アの豊かな自然を紹介する動画も制作して情報発信する。関連経費を、今年度2月補正予算案と令和3年度当初予算案に合わせて2億円以上計上する。

 南アをめぐっては、JR東海が東京・品川-名古屋間の令和9年開業を目指すリニア中央新幹線の長大なトンネルが地下を貫通する計画に対し、静岡県と流域自治体は自然環境と大井川の水資源への影響を心配して静岡工区着工を認めていない。こうしたなか同県としては、南アの自然保護に力を入れ、価値を広く県内外に発信することで、リニア問題における県の立場や主張の補完もしたい考えだ。

 静岡県側から南アへの入山者は年間約3万人。登山道が十分に整備されていないため人の出入りが少なく、手つかずの自然が残る一方で、山肌ではシカによる高山植物の食害が出ている。県は基金を利用し、広範囲に防護柵を設置して食害を防ぐとともに、猟友会員に一定数のシカの捕獲を依頼する。柵は、雪の重みによる破損を避けるため、設置は雪解け後にヘリで山小屋へ資材を下ろして行うことにし、冬前には撤去する。

 ユネスコエコパークは自然保護と活用の両立を目指す生物圏保存地域のことで、南アは7年前の平成26年に登録された。だが自然保護に関して静岡県はこれまでボランティアに頼って食害対策を細々と実施してきただけで、まとまった予算を確保して計画的に環境保全活動を行うのは今回が初となる。

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