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消費者物価4年ぶりマイナス 迫るデフレスパイラル

 新型コロナウイルスの感染再拡大で、物価が持続的に下落するデフレと景気悪化が連鎖するデフレスパイラルの懸念が強まっている。総務省が22日発表した令和2年平均の全国消費者物価指数(平成27年=100、生鮮食品を除く)は前年比0・2%下落し、4年ぶりに前年水準を下回った。緊急事態宣言の再発令は「新しい生活様式」に努めても感染爆発を防げない現実を露呈させ、企業と家計の防衛意識が高まる。

 2年12月の消費者物価は前年同月比1・0%下落と5カ月連続のマイナスになり、リーマン・ショック後のデフレ下だった平成22年9月以来、10年3カ月ぶりの下げ幅を記録。2年暦年でもマイナス圏に沈んだ。

 背景にあるのがコロナ禍での需要低迷だ。昨年の宣言解除後に持ち直しかけた個人消費は今冬の感染再拡大で旅行や外食を中心に再び悪化。昨年12月にはファーストリテイリングの低価格ブランド「ジーユー(GU)」が主力の女性向け商品を最大30%値下げする方針を示すなど、「令和デフレ」が顕在化しつつある。

 今後は携帯電話料金の値下げも物価を下落させる。ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査部長は「下押し圧力は当面強い状態が続く」と指摘。観光支援事業「GoToトラベル」の休止が長期化すれば宿泊料の下落幅は縮小するが、それでも3年度前半の上昇率はゼロ%程度が続くとみる。

 物価下落は短期的に家計負担を減らすものの、企業収益の悪化と賃金の低下を通じ景気悪化につながる。政府も「絶対に、コロナ禍でもデフレに戻さないという強い決意を持っている」(西村康稔経済再生担当相)と危機感を隠さない。

 特に今回は、事業者が席数を減らしたり除菌を徹底したりと感染防止に努める中での感染爆発が背景にあり、企業と家計に今後も宣言発令で自粛を迫られるとの「強い猜疑心(さいぎしん)」(みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミスト)を植え付けたとも指摘される。コロナ禍の長期化で今年の春闘は賃金が伸び悩む可能性が高く、個人消費の低迷も長引く恐れがある。(田邉裕晶)

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