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バイデン米大統領就任、経済界は期待と身構え

20日、米連邦議会議事堂前で行われた就任式で宣誓するバイデン大統領(左)=ワシントン(AP)
20日、米連邦議会議事堂前で行われた就任式で宣誓するバイデン大統領(左)=ワシントン(AP)

 バイデン米大統領就任を受け、日本の経済界からは新政権が重視する国際協調路線による世界課題の解決に加え、新政権による新型コロナウイルス対策や世界経済回復に向けて期待の声が寄せられた。一方、環境分野での規制強化や米国内の分断などに対する警戒感も根強く、どこまで政策が実現されるか見極めようとの姿勢も目立った。

 「世界第1の大国として輝きを取り戻してほしい。コロナ禍で疲弊した世界経済の回復と、揺らいでいる国際秩序の再構築の課題解決のために米国の力が必要だ」。経団連の中西宏明会長はバイデン新政権への期待を表明した。

 新型コロナ対策や日米の自由貿易推進など、トランプ前政権では課題を残したテーマについても進展を求める声が上がる。

 日本製紙連合会の野沢徹会長は20日の会見で、「バイデン氏が大統領になり、新型コロナが収束すれば、一番プラスが大きい」。日本貿易会の小林健会長は「日米の自由で公正な経済圏の拡大や、ルールに基づく多角的貿易体制の維持・強化を後押ししていく方針」とする。

 バイデン新政権が掲げる環境政策については、受け止めが分かれている。

 北米で住宅販売事業を展開する大和ハウス工業の一木伸也・海外事業本部長は「バイデン氏が意欲を示す景気対策や気候変動対策は環境重視の住宅開発を手掛けるうえで追い風」と、バイデン氏の政策実現に期待する。日本商工会議所の三村明夫会頭も「パリ協定への再加入などに対し、「単独では解決できない問題に協調して対応する姿勢を示してほしい」とする。

 一方で、厳しい環境規制が導入される公算も大きい自動車メーカーは対応を迫られる。トヨタ自動車は排ガスに関連する環境規制に反し、米環境保護局(EPA)への不具合の報告が遅れたとして、米司法省に制裁金1億8千万ドル(約186億円)を支払うことで和解した。環境問題に真(しん)摯(し)に取り組む姿勢をアピールしたとみられる。

 新政権の政策運営には不透明な部分も多く、慎重に状況を見極めようとの意見も少なくない。

 石油連盟の杉森務会長は21日の会見で、トランプ前政権が2018年に離脱したイラン核合意への復帰を「まだ全くみえない」としつつ、「仮に復帰し、イラン産原油の禁輸措置が取り除かれるとすれば、イラン産原油が市場に出てくる。明らかに世界の(原油の)需給は緩和する方向になる」との見方を示す。

 石油化学工業協会の和賀昌之会長は21日の会見で、「(米国の)内政においては、大統領選で浮き彫りになった米社会の分断の影響は大きく、新政権が掲げた富裕層への課税強化や健康保険制度の拡充など、内政面での問題がある」と指摘する。その上で、「国際協調重視の外交面でも、バイデン氏がどこまでリーダーシップを発揮できるか注目される」と、状況を見極める姿勢を示した。

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