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寒波、巣ごもりで電力需給逼迫 電力各社綱渡りの対応続く 政府、外出自粛要請との間でジレンマ

液化天然ガスのタンク=三重県川越町
液化天然ガスのタンク=三重県川越町

 昨年12月後半以降の西日本を中心とした寒波による電力需要の増加などを背景に、電力需給の逼迫に見舞われた電力各社が綱渡りの調整を迫られている。関西電力管内では12日朝に電力使用率が99%に達するなどしており、電力各社でつくる電気事業連合会は2回にわたり節電のお願いを出した。逼迫の背景には火力発電の燃料となる液化天然ガス(LNG)の不足のほか、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛で家庭での電力消費が増えている事情もあり、政府は節電要請を出しづらいというジレンマも抱えている。

 「寒波でLNGの在庫も想定以上に消費された。正直、今後も予断を許さない状況にある」。15日に定例会見した電事連の池辺和弘会長(九州電力社長)は危機感を示した。

 電事連は10、12日には、利用者に向けて節電のお願いを出した。全国的な逼迫によるお願いは、平成23年の東日本大震災後に原発の稼働停止などを受けて逼迫した際に出して以来だ。

 今回の電力不足は、寒波に伴う暖房などの電力使用量の急増のほかにいくつかの要因が重なった。

 一つは、火力発電所で必要なLNG不足の影響だ。昨秋以降、生産地であるオーストラリアなど太平洋地域の生産設備全体の3割弱で設備不良などのトラブルが多発。LNGが日本に入るまで契約から2カ月程度かかることから、供給不足が足元で影響した。加えて全国的な悪天候による太陽光など再生可能エネルギーの発電量低下なども重なり、各社間で連携して行う電力の融通もままならなくなった。

 供給不足の影響で電力の卸売価格も高騰。電力の小売り自由化で参入した新電力の中には電気料金を大幅に上げざるを得ないといった声も増えた。このため経済産業省は電力小売事業者が電力の不足分を買い付ける際に大手電力に支払う料金に上限を設ける支援策を決めた。

 一方、今回の電力需給逼迫の要因のひとつにはコロナ禍を受けた家庭での電力消費増加もあり、「政府は緊急事態宣言発令で国民に外出自粛を要請する中で、節電要請まで求めにくいのでは」(エネルギー業界関係者)との指摘もある。

 ただ今後、電力需給の逼迫が全域停電(ブラックアウト)のような事態につながれば深刻な悪影響も想定される。政府は安定供給に向けた対応の継続が必要となりそうだ。(那須慎一)

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