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「表現の自由侵害」SNS停止に批判、米でIT規制論が急浮上

凍結されたトランプ米大統領のツイッターアカウント
凍結されたトランプ米大統領のツイッターアカウント

 【ワシントン=塩原永久】ツイッターなど米IT大手がトランプ米大統領らの交流サイト(SNS)利用を停止し、政界で強まる巨大IT企業の規制論議が加速しそうだ。各社は暴力助長を招く投稿を放置できないと判断したが、右派と左派の双方から「検閲だ」「遅きに失した」と批判が噴出。続々と登場する新興SNSを通じた過激思想の拡散が続き、対応の難しさも浮かび上がっている。

 トランプ氏のアカウント利用を停止したツイッターなどに続き、アマゾン・コムが11日、トランプ氏の支持者が好む新興SNS「パーラー」の運用を凍結。情報のプラットフォーム(基盤)を握るIT大手の強大な権限を浮き彫りにした。

 トランプ氏が所属する共和党からは「(イランの)宗教指導者がツイートできてトランプ氏ができないのは理不尽だ」との声が聞かれ、「IT大手の検閲は表現の自由の侵害」(憲法学者)とも指摘されている。

 一方、民主党議員からは「すでに議会襲撃事件が起きてしまい、あまりに遅い対応だ」とツイッターなどへの批判も根強く、SNS大手には左右両派から矛先が向けられている。

 これまでSNS運営企業は通信品位法230条に基づき、不適切な投稿を掲載したり、削除したりしても法的責任を問われなかった。SNSは人々が意見を交わす「掲示板」のような情報基盤に過ぎないと位置づけられたためだ。

 ただ、社会への大きな影響力を持つようになったSNSは単なる掲示板とはいえないとして、SNS運営企業を投稿内容に責任を負う「編集者」として扱うべきだとの見解も強まってきた。一国の大統領のアカウントを停止するという踏み込んだ対応の是非も踏まえながら、同法230条の改正を含むIT規制強化が急務となりそうだ。

 一方、6日の議会襲撃事件をめぐっては、侵入した白人至上主義者などの過激思想や、襲撃計画がSNSでやり取りされていた実態が判明し、SNSの闇の深さも見え隠れしている。

 民主党のペロシ下院議長の部屋や議場に押し入った人物らは当時、盛んにスマートフォンを操作する姿が報じられた。米調査機関アトランティック・カウンシルのホルト氏によると、過激派が集まるサイトで閲覧者を増やすため「現地で実況中継していた」という。仲間集めや、活動資金に用いる献金を得る目的があったと指摘されている。

 一方、管理が厳しくなった主流SNSの代わりに利用されたパーラーは停止されたが、「MeWe(ミーウィー)」や「Gab(ギャブ)」など多くの新興SNSが顕在だ。こうした新興サイトに白人至上主義団体の利用者が急速に移行していると専門家は分析しており、SNS上で過激思想を封じ込める難しさが指摘されている。

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