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テレワーク実施率は低下傾向 「出勤者数7割減」容易でなく

昨年の緊急事態宣言下でのテレワークの様子=大阪市北区(渡辺恭晃撮影)
昨年の緊急事態宣言下でのテレワークの様子=大阪市北区(渡辺恭晃撮影)

 政府が7日に発令を決定した緊急事態宣言では、在宅勤務などのテレワークの積極的な実施も呼び掛けられた。昨年4月の緊急事態宣言では、急遽(きゅうきょ)、テレワークを導入したことで戸惑いもみられたが、今では新たな働き方として定着している企業も多く、労働環境の改善も進む。ただ、実施率は低下傾向にあり、政府が掲げる「出勤者数の7割削減」という目標の達成は簡単ではない。新型コロナウイルスの感染が下火の時期にどれだけ対策を講じてきたかが問われそうだ。

 テレワークについて、内閣府が昨年5月と12月に実施した、1万人規模のインターネット調査では、5月時点では社内のコミュニケーションや資料の電子化など多くの課題が指摘されたが、12月調査では6割以上の人が、社内システムへのアクセスなど、テレワークに適した労働環境に改善されたと回答しており、各企業の対応が進んでいることがうかがえる。

 一方で、テレワークの実施率は5月の27・7%から、12月は21・5%と低下した。最大の理由は職場の方針転換で、夏場に感染者が一時的に減少した際に、テレワークを取りやめたり、縮小する企業が出たためとみられる。特に事業規模が小さいほどこの傾向は強く、労働環境の改善も大手に比べ進んでいない。

 政府は出勤者数を7割削減するという目標を掲げるが、テレワークの導入が進む東京23区ですら実施率は4割程度にとどまる。今回の緊急事態宣言を受けて日立製作所は出社率を現状の30%前後から15%以下にすることを目指すなど、一部で政府目標を上回る取り組みもみられるが、小売業や製造業などテレワークに不向きとされる業種や職種も多い。

 サイバーセキュリティー対策の課題も残ったままだ。昨年は8月に住友林業など国内約30社でテレワークに利用される「VPN(仮想私設網)」の認証情報が盗まれるなど、大手企業でもサイバー攻撃による被害が相次いだ。

 特にIT人材が不足する中小企業の対応は遅れがちだ。近年は対策が脆弱(ぜいじゃく)な企業を踏み台にしてネットワークに侵入し、データを人質にとって金銭を要求するケースも多発している。

 立命館大情報理工学部の上原哲太郎教授は「テレワーク導入を急ぐ一方でセキュリティー対策は進んでいない」と指摘。その上で「社外の第三者が悪用するという意識を持つ必要がある」と注意を促している。

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