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CO2地下貯留へ新法 政府法律一本化を検討 民間参入、普及に弾み

 政府は、石炭火力発電所などから出る二酸化炭素(CO2)が大気に拡散する前に分離・回収し、地中に閉じ込める技術「CCS」の普及に向け、新法の成立を含めた事業環境整備を検討する。現状ではCCS整備には複数の法律の適用が必要で、民間企業参入の足かせになるおそれがあり、CCS整備を一貫して行える法体系を目指す。菅義偉首相が表明した「2050年温室効果ガス排出実質ゼロ」の実現に向け、CCS技術の普及を加速する狙い。

 CCSは、回収したCO2を地下深くにある隙間の多い砂岩などの層に閉じ込めることで大気中の濃度を抑える手法。日本でも実証試験が始まっている。

 しかし設備の要件やCO2を圧入する際の安全基準などを定めたCCSに特化した法律はなく、現行の海洋汚染防止法などさまざまな法律の適用が必要。このため手続きが煩雑で、時間や手間がかかる要因になっている。一方、海外ではCCSに特化した法整備が進み、民間企業の参入も増えている。そこで国内でもCCSに特化した法整備などで事業環境を整えることを検討する。

 CCSをめぐっては現在、北海道苫小牧市で国内初の大規模な実証試験が進んでおり、令和元年11月には累計で30万トンのCO2圧入を達成。安全性も確認した。同地での地中貯留の状況を今後、数年かけて観察し、安全性の確認を図るほか、貯留技術の研究開発、適地の選定などを行い、12年までの商用化を目指す。

 また、CO2排出源から地中に埋める貯留地まで距離がある場合でも、CO2を液化して効率よく運搬できる船舶による輸送実証を6年以降に世界に先駆けて始める計画。アジアや米豪などとも連携して日本の知見などを共有し、世界にCCSのネットワークを拡充することも想定する。

 CCSによるCO2削減のコストは現在、1トン当たり7300円程度と高価だ。しかし政府は「CO2の分離・回収技術などの工夫を図り、コストダウンを図っていきたい」(経済産業省担当者)としており、法整備や技術開発を加速し、普及に向け弾みをつけたい考えだ。

CCS 二酸化炭素(CO2)の回収(CAPTURE)、貯留(STORAGE)の頭文字を並べた言葉。大気中に排出される前にCO2を回収し、地中に貯留するという意味。CO2を多く排出する火力発電と組み合わせれば、排出抑制につながるとして国際的に利用拡大が期待されている。GCCSIの調査によると、世界のCO2の貯留可能量は少なくともCO2換算で約7兆トン以上あると試算。日本の貯留量も同約1400億トンあると推定されている。

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