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【年の瀬記者ノート・静岡】観光・飲食業 需要蒸発「底なし沼」

 一体、いつまでマスクを着けた日々が続くのか-。新型コロナウイルスで「マスク取材」も日常化した年末、そんな思いを抱きながら、静岡県内初の営業時間短縮要請を受けた富士市にある、そば居酒屋「金時」に足を運んだ。

 潮が引くように客足が減ったのは3月下旬。誰もが知るタレントの志村けんさんが新型コロナに感染して肺炎で亡くなり、富士市に隣接する富士宮市内で感染者が出始めた。身近に迫る恐怖からか「客は普段の4分の1に落ち込んだ」と、金時を経営する時田大嗣(ひろつぐ)さんは振り返る。

 政府が感染拡大を食い止めるためとして4月に発令した緊急事態宣言の影響が直撃し、観光・飲食業の臨時休業が相次いだ5月の大型連休。続く第2波で帰省自粛を求められた8月のお盆。そして、感染が再び拡大している年末年始。頼みの綱となりそうだった政府の観光支援策「Go To トラベル」も一時停止となった。

 いずれも稼ぎ時だった。時田さんは「多くの帰省客が戻ってこられないのは店にとっても痛い」とこぼし、こう続けた。「第2波、第3波が来るだろうとは予想していたが、(波が)予想以上に大きすぎた。今年は試練の年だ」

 確かに、飲食店や観光業界にとって今年は三重苦だった。首都圏からの観光客が激減した熱海市では4月、閑散としたJR熱海駅前商店街を目の当たりにした。「見ての通り、お客さんは激減。誰もいません」。人影がまばらな通りを眺めながら、土産店の女性が口にした悲鳴は、観光が主要産業の熱海の窮状を代弁していた。

 夏場以降は、接待を伴う飲食店を中心にクラスター(感染者集団)も多発した。店の従業員からなのか、利用客からなのか、感染経路は判然としないが、「気の緩み」があったのは間違いなさそうだ。

 クラスターが多発した静岡市中心部で居酒屋を営む男性店主は、店側が感染防止対策強化に追われるなか、利用客のマナーに苦言を呈す。

 「利用してくれるのはありがたいが、危機感がない。この1カ月をみても、マスクを外して大きな声で騒いでいる客が多い。ビールを飲む際に外したマスクを、再び着けた客は1人しかいなかった」

 感染拡大防止と経済活動を両立するには利用客にも感染予防への意識が欠かせないが、男性店主は「両立なんかできない。感染拡大を抑えるのが最優先だ」と言い切る。

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