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グリーン成長戦略 軽自動車も電動化目標に 価格やサイズの利点に逆風

 2030年代半ばに国内新車販売からガソリン車をなくす政府目標は、日本独自の規格で、新車販売の約4割を占める軽自動車も含まれる。電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)など電動化技術の開発にはコストがかかるうえ、大容量の電池を搭載する必要もあり、軽自動車の手頃な価格とコンパクトさという強みが失われる恐れもある。メーカーだけの力で目標を達成するのは困難ともみられ、政府による支援を求める声も強まりそうだ。

 菅義偉首相が50年までの脱炭素化を掲げる中、日本自動車工業会(自工会)の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は17日のオンライン会見で、政府の脱炭素化目標に「全力でチャレンジする」と宣言した。トヨタをはじめとする日本の自動車メーカーはHVを中心に電動化に対応する考えだ。

 ただし今回の目標の対象に含まれた軽自動車では新車の約7割をガソリン車が占め、電動化が遅れている。HV技術が搭載されていても、燃費改善効果が少ない「マイルドハイブリッド」と呼ばれる簡易式しかない。「大容量のバッテリーを搭載すれば、車両の重量が増えるだけでなく、車室内に余裕のある空間を確保できなくなる」(軽メーカー関係者)といった事情があるためだ。

 軽自動車は「日本の国民車」(豊田氏)と呼ばれるほど国内で浸透し、特に公共交通機関が乏しい地方部では住民の生活を支える「足」となっている。その軽自動車が今後、環境性能が優れていても高価格で利便性が低いクルマになれば本末転倒になりかねない。

 一方、販売台数に占める軽自動車の比率が高い各社も対応を急ぐ。三菱自動車は23年度にも日産自動車と共同開発した軽EVを投入する計画。スズキは主力市場のインドでEVの試験走行を行うといった対応を始めた。ダイハツ工業は親会社のトヨタからHV技術の提供を受けている。

 ただし日本の自動車業界全体でみても脱炭素化は高い目標であることは確かだ。豊田氏は脱炭素化目標の達成について、「技術的ブレークスルーがなければ難しい。欧米中と同様の政策的、財政的支援を求めたい」と訴えている。(宇野貴文)

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