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英EU合意 FTA実現で日本企業に安堵 通関手続き混乱の不安も

EUのフォンデアライエン欧州委員長(右)の隣で声明を発表するバルニエ首席交渉官=24日、ブリュッセル(ロイター)
EUのフォンデアライエン欧州委員長(右)の隣で声明を発表するバルニエ首席交渉官=24日、ブリュッセル(ロイター)

 欧州連合(EU)を離脱した英国とEUの自由貿易協定(FTA)締結交渉がまとまり、英EU間の関税が復活するといった最悪の事態が回避され、EUや英国に進出している日本企業には安堵(あんど)が広がった。ただし今後は英EU間での通関手続きが煩雑になると予想され、混乱の火種は残っている。

 「合意なき離脱による打撃を回避する重要なステップだ」。トヨタ自動車はFTA合意を歓迎する。日産自動車も「合意に達したことを歓迎する」とのコメントを発表した。

 自動車業界は英EU間の輸出入で関税がかかれば、英国やEUに供給網がある自動車メーカーの欧州戦略が打撃を受けるのは必至だった。2021年の英国生産撤退を決めているホンダに続き、トヨタ自動車や日産自動車も撤退を余儀なくされる恐れがあった。

 英国とイタリアに鉄道車両の製造拠点がある日立製作所も「妥結の詳細の内容を確認しつつ、英国とEUの発展に貢献する事業を推進していく」とした。

 ただFTA合意が実現しても、英EU間で不要だった通関手続きは今後発生する。折しも、新型コロナウイルスの変異種の影響で往来が遮断されており、日本貿易振興機構(ジェトロ)海外調査部の田中晋・欧州ロシアCIS課長は「特に英国側の通関業務の態勢が大幅に不足しており、物流停滞などの混乱が数カ月続く可能性もある」と指摘する。

 「日系企業は年内に部品の在庫を増やすなどの対策をとるとしていた」(ジェトロ)が、対応が遅れれば生産計画を見直す企業も出てきそうだ。第一生命経済研究所の田中理主席エコノミストは「FTA合意で一層の混乱は避けられたが、新たなコストが生まれれば、ビジネスの再考を迫られる企業が出る可能性もある」と分析する。

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