PR

ニュース 経済

全トヨタ労連、ベア具体的金額は掲げず 7年ぶり

トヨタのロゴ(佐藤徳昭撮影)
トヨタのロゴ(佐藤徳昭撮影)

 トヨタ自動車グループの労働組合でつくる全トヨタ労働組合連合会は18日、令和3年春闘交渉で、基本給を一律に引き上げる「ベースアップ(ベア)」について具体的金額を掲げない方針を明らかにした。ベア自体は要求するが、具体的水準は各労組の判断に任せる。新型コロナウイルス禍での各社の業績にばらつきがあり、統一要求は設定できないと判断した。賃上げを一律に求めてきた従来型の一体交渉は転換期を迎えたといえそうだ。

 金額を定めないベア要求は平成26年春闘以来、7年ぶりとなる。今年の春闘では実質3千円以上を目安とするベアを求めた。

 全トヨタ労連は今年9月時点で、314組合の約35万7千人が加盟。愛知県豊田市で18日に開かれた代表者会議では、各労組が「目指すべき賃金」の実現を目標とした総額ベースで要求する方針を確認した。「自社の課題解決を推し進めることで人材確保と競争力強化を図る」(全トヨタ労連)という。

 高卒初任給の最低賃金水準は「16万4千円以上」と明記し、非正規雇用についても賃上げを要求。賞与となる一時金は「年間5カ月以上」を基準とする。

 このほか、働き方改革として、所定労働時間の短縮、年次有給休暇取得の向上なども求めていく。来年1月の中央委員会で正式決定する。

 自動車業界は電動化や自動運転の技術で競争が激化し、「100年に1度の変革期」を迎えているとされる。トヨタの賃金はすでに高水準にあり、経営側は今年の春闘で「賃金を上げ続けることは、競争力を失うことになる」としてベア回答を見送った。

 競争力向上のため、トヨタでは人事制度の改革も進む。来年1月からは、定期昇給について原則一律に昇給する現在の方式を改め、人事評価に応じて昇給額を決める制度を導入。加えてIT分野などの多様な専門知識を持った人材確保を狙い、令和4年の理系の大卒と大学院修了の採用活動から学校推薦を廃止する。

 3年春闘をめぐっては、労働組合の中央組織の連合がベア水準を「2%程度」とする統一要求を正式に決定した。一方、経団連は業績が悪化している企業について「一律の賃金引き上げを検討することは現実的ではない」と慎重姿勢を示している。(宇野貴文)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ