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日銀、新型コロナの再拡大に危機感 資金繰り支援延長 バブル懸念も

金融政策決定会合後、記者会見する日銀の黒田総裁=18日午後、日銀本店
金融政策決定会合後、記者会見する日銀の黒田総裁=18日午後、日銀本店

 日本銀行が18日に新型コロナウイルス対策として導入した企業の資金繰り支援の半年間延長を決めたのは、今月に入って相次ぎ金融緩和の長期継続を打ち出した米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)と、収束が見えない感染拡大への危機感を共有しているためだ。ただ、潤沢な資金供給を続けることは株価の過熱といった“資産バブル”などの副作用につながりかねないリスクもはらむ。

 日銀の黒田東彦総裁は18日の記者会見で、新型コロナの打撃を受ける経済の先行きについて、「改善ペースが緩やかなものにとどまる」と述べ、長期戦を覚悟で対策に挑む姿勢を強調した。

 こうした状況を受け、政府も追加経済対策で資金繰りに苦しむ企業を支援するため、実質無利子・無担保融資の申請期限を年末から来年3月末に延長した。日銀は欧米の中央銀行とともに、日本政府とも歩調を合わせた形だ。

 日銀と政府が一体となって行ってきた支援の結果、全体として企業の資金繰りは大きく逼迫(ひっぱく)した状況にはない。ただ、政府の観光支援事業「Go To トラベル」が書き入れ時の年末年始に全国で一時停止となり、運輸や宿泊・飲食サービスなど業種によっては資金繰りがより厳しくなることが予想され、支援延長の必要性が高まっていた。

 しかし延長には副作用の懸念もある。

 資金繰り支援は企業の倒産や失業を抑える効果がある一方、本来なら非効率な経営で廃業してもおかしくない企業を救済することにもなりかねない。黒田総裁は「あくまでも民間の金融仲介機能を助けるものだ」と否定するが、いわゆる“ゾンビ企業”を延命すれば、新型コロナが収束しても日本経済の生産性を損なうことになる。

 また日銀は事実上、国債を無制限に買い入れられる大規模な金融緩和も維持した。だが、潤沢な資金が株式市場に流れ込み、個人消費など実体経済の落ち込みに反して日経平均株価がコロナ禍前の水準を回復するなど、資産バブルが形成される恐れも否定できない。

 日銀は新型コロナで2%の物価上昇率の目標が遠のいたとして、金融緩和を点検することを決めた。コロナ禍で企業の資金繰り支援や金融緩和をすぐにやめる状況にはないが、それにともなう副作用についてもチェックする姿勢が日銀には求められる。(大柳聡庸)

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