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5千億円損失の試算も…トラベル全国停止で宿泊事業者「どう穴埋めするか」

「飛鳥旅行」の店先に並ぶキャンペーンチラシ。「Go To トラベル」の全国一時停止が発表され、旅行業者や宿泊施設では予約キャンセルが急増した=15日午後、東京都杉並区
「飛鳥旅行」の店先に並ぶキャンペーンチラシ。「Go To トラベル」の全国一時停止が発表され、旅行業者や宿泊施設では予約キャンセルが急増した=15日午後、東京都杉並区

 政府の観光支援事業「Go To トラベル」の全国一律停止が決まり、関係業界からは「どう穴埋めするか頭を抱えている」(宿泊事業者)など嘆き節が聞かれた。日本航空は減便を検討する方針を示しており、交通事業者各社も調整に追われそうだ。一方、全国一律の停止が1カ月続けば経済損失は5千億円に達するとの試算も出るなど影響は甚大とみられ、関連事業者への新たな支援策の必要性が増している。

 「年末年始は予約がかなり入っていたが、トラベル事業の割引がなくなればキャンセルするお客は一定数いるだろう。今後、新たな宿泊客を呼び込もうにも、訪日客はいない。新型コロナウイルスと政治の動きに1年間振り回された」。ホテルを全国展開する事業者の担当者はこうこぼした。

 宿泊施設のキャンセルが増えるとみられることから、移動手段となるはずだった鉄道や航空事業者への影響も懸念される。鉄道事業者の関係者は「お盆も減っていたのに、年末年始も乗ってもらえないのか…」とポツリ。日航関係者は「感染拡大で最近は利用の伸びが低調だった。来週中には年末年始の減便を発表する可能性もある」と述べた。

 一方で、JR東日本の深沢祐二社長は「影響はあると思うが、新型コロナウイルスの感染状況は(今後も)波がある。それに対応してしっかりとサービスを提供することに尽きる」と冷静な対応を強調した。

 観光関連産業は裾野が広いため、トラベル事業の停止による地域経済に与える影響は大きく、経済波及効果に対しては、さまざまな試算が出ている。

 大和総研経済調査部エコノミストの鈴木雄(ゆう)大(た)郎(ろう)氏は、全国一斉の停止が1カ月続くと5千億円程度の経済損失が出るとの試算を示した上で「観光業への依存度の高い地域経済への打撃が懸念される」とした。

 一方、野村総合研究所の木内登(たか)英(ひで)エグゼクティブ・エコノミストは、15日間、全国的に停止することで893億円余りの経済損失が生じるとの試算を発表した。ただ、4、5月の緊急事態宣言で個人消費が約22兆円減ったことに比べれば影響はかなり小さく、「全国的な停止は妥当な決定」と評価。その上で「旅行関連事業者の支援は確かに必要だが、中小事業者も含めてしっかりと支援するのであれば、追加の給付金支給の方がより妥当な政策ではないか」と述べた。(大坪玲央、岡田美月)

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