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埋まり切らない需要不足 3次補正予算案決定 

 15日に閣議決定された令和2年度第3次補正予算案は、事業規模73・6兆円に上る追加経済対策の裏付けだ。政府はこの対策で3年度中に国内総生産(GDP)を新型コロナウイルス流行前の水準に戻す目標を掲げ、今年7~9月期に生じた34兆円分の需要不足の解消を目指す。ただ対策の短期的な経済効果は政府が見込む20兆円規模に届かないとみられ、4度目の補正を迫られる可能性がある。

 今回の経済対策の原資となる国や地方の直接的な歳出は32・3兆円で、このほとんどが今回の3次補正や近く閣議決定する3年度当初予算案で賄われる。これに財政投融資を加えた財政支出の総額は40兆円。さらに政府の支出が呼び起こす銀行融資や設備投資などの民間支出を足しあげた額が事業規模の73・6兆円だ。

 国の歳出規模をベースに使途が定まらない予備費を除く約20兆円が短期的にはGDPを直接押し上げ、政府はその効果を成長率換算で3・6%(2年度0・5%、3年度2・5%、4年度0・6%)と試算する。この効果でコロナ禍で減った需要を補い、日本経済の潜在的供給力と需要の差を示す需給ギャップ(GDPギャップ)の解消を狙う。

 問題は押し上げ効果がいつ表れるかだ。追加経済対策ではデジタル化や脱炭素化など中長期的な支援策を数多く盛り込んだが、実現までには時間がかかる。また公共事業もこれまでの対策で既に受注残があり、即効性に課題がある状況だ。

 このため対策の効果は短期的には政府見込みに届かないとの声もある。三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストはGDP押し上げ効果は成長率換算で2年度が0・2%分、3年度が0・7%分、金額ベースで計5兆円とみる。

 ただし需要不足をすべて公的支出で賄う必要はない。公的支出が民間支出を喚起すればその分、GDPを押し上げる。みずほ総合研究所の酒井才介主任エコノミストは対策がなくても景気の持ち直しで3年度までに34兆円の半分程度は解消すると予想し、「本来必要な支出規模は10兆~15兆円程度」だと指摘する。

 とはいえ足元では感染再拡大で景気の先行き不安が広がり、企業の投資判断は慎重になる。対策の呼び水効果で民間支出が急に拡大するとは考えにくい。早期のコロナ前回帰にこだわるなら、今回見送った即効性が高い景気刺激策が4度目の「コロナ補正」で求められかねない。(田辺裕晶)

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