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【主張】大和堆に中国漁船 拿捕せずに権益守れるか

日本海沖の大和堆周辺で、違法操業する中国漁船=9月(水産庁提供)
日本海沖の大和堆周辺で、違法操業する中国漁船=9月(水産庁提供)

 日本の排他的経済水域(EEZ)へ多数の中国漁船が押し寄せて違法操業を続け、日本の水産資源を強奪している。

 現場はスルメイカやカニの好漁場である日本海の大和堆(やまとたい)の海域だ。日本の別名「大和」がついた海底地形のある海域で、せっかくの漁期に日本漁船が十分操業できない。日本と漁業者の権益が侵されているのに政府がきちんと対処しているように見えないのは残念だ。

 この海域で今月5日までに水産庁の取締船が退去警告した中国漁船は延べ4035隻に及ぶが、事態は改善していない。

 昨年までは主に北朝鮮の漁船が押し寄せ、水産庁や海上保安庁が取り締まってきた。今年は北朝鮮漁船は1隻しか確認されず、8月ごろから中国漁船が急増した。北朝鮮が中国側に大和堆海域の「漁業権」を売却した疑いがある。

 政府は拿捕(だほ)を含め取り締まりの強化に踏み切り、中国漁船の群れを追い払うべきだ。中国に遠慮することは許されない。

 日本のEEZでは日本だけが水産資源管理の権利を持つ。日本は大和堆での操業を中国や北朝鮮に許したことはない。もし「漁業権」を売却していたとしても、北朝鮮はこの海域に何の権利も持たないのだから、中国漁船に操業する資格は少しもない。

 水産庁は9月30日から10月29日まで大和堆海域の一部への入域自粛を日本漁船に求め、漁業者から不満の声が出ていた。

 北朝鮮公船の徘徊(はいかい)が9月29日に確認されたからだが、なぜ日本の海で日本漁船が縮こまらなくてはならないのか。

 加藤勝信官房長官は10月の会見で「外国漁船が多数侵入し、違法操業のほか、わが国漁船の安全操業の妨げになっており、極めて問題だ」と述べた。「中国漁船」と明言せず、抗議も、違法操業をやめさせる外交交渉をしたとも言わないのは不可解だ。政府は今月11日の自民党の会合で、海保や水産庁が情報収集や監視能力を強化すると報告した。

 それだけで問題が解決するわけがない。拿捕に乗り出し、中国政府には強く抗議すべきである。それをてこに、不法な「漁業権」売買疑惑の実態解明と中国漁船群の排除を実現しなくてはならない。菅義偉首相は「国民のために働く内閣」の看板を掲げているはずだ。言行一致が求められる。

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