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コロナ禍の営業現場で活用広がる「LINE WORKS」 製薬、生保の新たな顧客接点に

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 顧客のもとに足しげく通って人間関係を構築し、会話を交わしながらビジネスのヒントを探る━この伝統的な営業のスタイルに転機が訪れている。新型コロナウイルスの感染拡大を契機に対面の機会が大幅に制限され、コミュニケーションの中心がオンラインに移行。リモートの面談や会議が増えるなか、不足しがちな日々の些細なやり取りを可能にするビジネスチャットの活用が広がっている。国内シェア首位(※)の「LINE WORKS(ラインワークス)」は顧客とのつながりやすさや信頼性が支持を獲得し、対面のイメージが強い製薬や生保でも導入が相次ぐ。営業現場が実践する活用法を取材した。※出典 : 富士キメラ総研 「ソフトウェアビジネス新市場2019年版」

手軽なやり取りでメールと差別化

 「メールや電話でやり取りできる(医師の)先生をどう増やしていこうか」。中外製薬鳥取・島根支店で働くMR(医薬情報提供者)の横山祐治さんは4月に緊急事態宣言が出されると、こう頭を悩ませた。

 医薬品の営業を担うMRは診療などで忙しい医師の隙間時間をうかがうため、病院の医局前などでの「立ち待ち」が慣習だった。最近は約束を取り付けての面会が主流だが、対面を重視する業界特有の用語はいまも残る。

 松江市内の基幹4病院を担当する横山さんも3月までは週3、4回程度のペースで訪問。約束した面会に加え、面識のある医師の診療の合間に「いま少しよろしいでしょうか」と懐に入り込み、ニーズを探りつつ自社製品の情報を提供していた。

入社7年目の横山祐治さんは中外製薬が業界をリードするがん領域担当の敏腕MR
入社7年目の横山祐治さんは中外製薬が業界をリードするがん領域担当の敏腕MR
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 しかし、新型コロナで病院への訪問規制がかかり、対面の機会は大幅に減少した。代わりにメールや電話、リモートの面談などの手段を試行錯誤するなか、中外製薬が導入したのがLINE WORKSだ。

 横山さん「本日より、弊社の医薬品で治療を実施されているかと思いますが、副作用など特に問題はありませんでしょうか?」

 医師「大丈夫です。問題なく終わりました」

 7月に導入を周知すると、普及率の高いLINEのアカウントとつながれる利点が生き、担当する医師や看護師10人とすぐにやり取りがスタート。自社製品の投与状況の確認などが簡潔かつ瞬時に可能になり、「メールは面倒で返さないという医師ともやり取りでき、他社に差を付けられている」(横山さん)

横山さんが自社医薬品の投与状況を確認する(左)一方、医師から直接問い合わせが入ることも(右)
横山さんが自社医薬品の投与状況を確認する(左)一方、医師から直接問い合わせが入ることも(右)
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 医師には日々、製薬会社などから大量のメールが届き、返信できる時間も限られる。他社のMRが連絡を付けるのにも苦労するなか、手軽なLINE WORKSでコミュニケーションを差別化している格好だ。また「既読」の付くタイミングで隙間時間を察知して電話するなど立ち待ちを代替し、「業務効率化の効果も生んでいる」(同)

情報共有して部署横断で対峙

 中外製薬は7月から社員約2400人にLINE WORKSを導入。MR以外にも、医薬品卸対応の担当者や安全性の専門家など、医療関係者と”接点”を持つ全現場社員を対象とし、非対面でもコミュニケーションを維持する手段を確保した。カスタマーソリューション部の嶋内隆人部長は「医師のLINEと連携でき、操作も変わらない手軽さに加え、セキュリティーと管理を基準に採用を決めた」と説明する。

嶋内隆人カスタマーソリューション部長
嶋内隆人カスタマーソリューション部長
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 現場社員は医薬品の投与状況や、医師の連絡先などを扱う。万全の情報漏洩対策が絶対条件になるなか、全ての通信を暗号化して24時間監視するLINE WORKSのセキュリティーは大きな決め手となった。トークルームのログ(記録)を社内で管理でき、就労時間などの把握が可能なうえ、私用アカウントと違って勤務時間外は自動返信で対応できることも導入につながった。

 運用開始から約3カ月で、MRを中心に約600人が医師ら約1000人とやり取りしている。日高伸二執行役員営業本部長は「まだつながりを広げる段階」としつつ、「部署間で連携しながら、顧客に対応するのが中外製薬の特徴。顧客との接点として利用しつつ、社内の情報共有を進めたい」と期待を示す。例えば、MRが医師とつながる一方で、同じ病院を担当する安全性の専門家らとトークルームをつくって、細かな気付きなどを共有し、部署横断で顧客に向き合う態勢を整える。

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日高伸二執行役員営業本部長
日高伸二執行役員営業本部長
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 日高本部長は「顧客によって対面やメール、LINEなどコミュニケーションツールが多様化している。あらゆるツールを駆使して接点を確保したい」と話した。

全国約3万人に導入

 製薬会社と同様に「営業力」の重要性が高いのが生保業界だ。保険商品はプランや補償内容のほか、営業現場の情報収集力や提案力が契約を獲得できるかどうかを大きく左右する。前提となる顧客とのコミュニケーションにLINE WORKSが活用されている。

 明治安田生命保険は2017年にLINEでの連絡を求める顧客の要望を踏まえ、安全につながれるツールとして採用。LINE WORKSを搭載した社用スマートフォンを営業職員1000人に先行配布し、19年秋に全国約3万人の全営業職員に対象を拡大した。

 従来の電話は顧客が仕事中だと応答してもらえず、ショートメッセージを送っても返信がないと確認したかどうかも分からなかったという。これに対し、LINEへのメッセージは既読の有無が分かるうえ、「気軽な雰囲気でやり取りできるので、初対面の顧客への事前ヒアリングもしやすくなった」(営業職員)

 新型コロナの発生後は、いっそうの効果を発揮。つながっているLINEユーザー数は3月時点の約100万人に対し、7月は約200万人と2倍に拡大し、トーク量も7.8倍に増加した。明治安田生命は「対面と非対面を融合した新たな営業活動のモデルを確立した。コロナの収束後も、多様化する顧客のニーズへの対応に活用できる」と話した。

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提供:ワークスモバイルジャパン株式会社

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