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日産、販売回復に遅れ 新車開発怠ったツケをEVで挽回へ

インターネットを通じて記者会見する日産自動車の内田誠社長兼CEO=12日午後(日産公式ユーチューブから)
インターネットを通じて記者会見する日産自動車の内田誠社長兼CEO=12日午後(日産公式ユーチューブから)

 日産自動車は12日、令和3年3月期の連結業績予想を上方修正し、最終損益の赤字幅が従来の6700億円から6150億円に縮小すると発表した。固定費を削減し、1台当たりの収益を向上させる戦略が成果を出し始めた格好だ。ただトヨタ自動車やホンダなどと比べ、業績改善は大きく遅れている。環境対応車の需要増が期待できる中国では生産能力を増強し、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)などの電動化技術で攻勢をかけたい考えだ。

 「販売の質の向上は着実に進んでいる」。12日にオンライン会見した日産の内田誠社長はこう自信をみせた。2年度末までに固定費を平成30年度比で3千億円削減する計画も順調に進んでいることも強調した。

 令和3年3月期の連結業績予想は、売上高を従来予想の7兆8千億円から7兆9400億円に、本業のもうけを示す営業損益も4700億円の赤字から3400億円の赤字にそれぞれ上方修正した。

 販売台数の予想は前回予想の412万5千台から416万5千台に引き上げた。ただ前期比では15・5%減で、特に主要市場の北米は23・1%減と減少幅が大きく、厳しい状況が続く。

 日産は10月に北米で発売した新型のスポーツ用多目的車(SUV)「ローグ」の販売が好調で、日本でも新型コンパクトカーを年内に発表する予定だ。だが、開発を怠ってきたため他社と比べ新車投入は少なく、競争力の弱さは否めない。

 トヨタは車のタイプごとに部門が分かれ、それぞれが開発を進めるカンパニー制が効力を発揮。日産をはるかに上回るペースで新型車を投入してきた。今年4~5月に新型コロナウイルスの影響で生産を停止している間も、社内で生産ラインの効率化策についてアイデアを出し合うなどして再開に備えた。

 トヨタが昨年日本で発売したSUVの「RAV4」は米国や欧州でも人気で、国内では今年発売の「ヤリス」「ヤリスクロス」など多彩な新車のラインアップで日産を圧倒している。

 日産の反転攻勢のカギは電動化の加速だ。5年度までに8車種を超えるEVを投入し、年間100万台以上の電動化技術搭載車の販売を目指す。最大市場の中国では来年からHVが「低燃費車」として優遇されることも追い風になる。

 12日に出そろった国内自動車大手7社の2年9月中間連結決算は新型コロナウイルスの影響で、いずれも減収減益となった。ただ、主力市場の北米で販売が回復しているトヨタをはじめ4社が黒字を確保。日産のほか、販売の回復が鈍いマツダと三菱自動車が赤字を計上し、明暗が分かれた。(宇野貴文)

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