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「シャインマスカット」など種苗流出防止へ仕切り直し 政府が法改正案の説明

衆院農水委員会で答弁する野上浩太郎農水相=11日午後、国会・衆院第17委員室(春名中撮影)
衆院農水委員会で答弁する野上浩太郎農水相=11日午後、国会・衆院第17委員室(春名中撮影)

 日本で開発された果物や野菜など種苗(しゅびょう)の不正な持ち出しを禁じる種苗法改正案の趣旨説明が11日、衆院農林水産委員会で行われた。知的財産権を認められた登録品種の海外流出を防ぐための法案だが、先の通常国会では著名人らから反対論が噴出したこともあり継続審議となった。政府・与党は今国会での成立に万全を期す構えだ。

 「わが国の農林水産業の発展を図るためには登録品種の海外流出を防止できるようにすることが重要だ」

 趣旨説明に臨んだ野上浩太郎農水相は法案の必要性をこう強調した。政府は、高級ブドウ「シャインマスカット」など登録品種の中国や韓国などへの流出が相次いでいるとして法改正を急ぐ。国内の登録品種が海外で増産され、安価で第三国に輸出されれば、農産物の輸出拡大を成長戦略と位置付ける日本にとって痛手となるとの見方を示す。

 現行法では登録品種の開発者に原則25年の「育成者権」が認められ、栽培には開発者の許可が必要と定めているが、海外に持ち出されるなどした場合の規定は設けられていない。法改正により、開発者が品種を登録した時点で栽培地域を国内などに限定することが可能となり、違反した場合は育成者権侵害で罰則の対象となる。また、収穫した登録品種から得た種や苗を改めて育てる「自家増殖」は開発者の許諾制として、流通経路の管理態勢を強化する狙いもある。

 通常国会では女優の柴咲コウさんがツイッターで「日本の農家さんが窮地に立たされてしまいます」などと発信したこともあって法改正への懸念が強まった。農業関係者らの間で「全ての農産物の自家増殖が禁止になる」との誤解も広まり、政府・与党は通常国会での成立を断念した。

 ただ、最近は日本弁護士連合会(日弁連)が同法の早期改正を求める意見書を衆参の農水委員らに提出するなど成立に向けた機運は高まっている。与党幹部は「現状を放置し続ければ国益を損なう。海外流出を防ぐための必要な法律だ」と述べ、法改正の必要性を強調する。

 一方、野党第一党の立憲民主党には「日本の農家を守れない」といった反対論や「登録品種の海外流出を防ぐ必要はある」との賛成論もある。10日の党農水部会でも法案への賛否は決まらず、自家増殖の制限強化の見直しなどの条文修正案を農水委で提案する方向となった。(永原慎吾)

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