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3次補正予算、デジタル化や温暖化対策に重点 過去の対策の効果には疑問も

閣議に臨む(左から)茂木外相、菅首相、麻生財務相=10日午前、首相官邸
閣議に臨む(左から)茂木外相、菅首相、麻生財務相=10日午前、首相官邸

 菅義偉首相が10日編成を指示した令和2年度第3次補正予算案では、デジタル化や2050年までの温室効果ガス排出量実質ゼロなど新型コロナウイルス収束後を見据え“菅カラー”の対策を講じる。ただ、1、2次補正で多額の予算を計上したにも関わらず今年度はマイナス成長が避けられず、施策の効果を疑問視する声もある。不必要な肥大化を防ぐため、編成に当たり過去のコロナ対策の効果検証も求められる。

 首相が3次補正の編成を指示したのは、4~6月期を底に持ち直しつつあるとはいえ、依然回復が鈍い日本経済への危機感がある。

 民間予測では、国内総生産(GDP)成長率は物価変動を除く実質で2年度に前年度比6・1%減のマイナス成長を記録した後、3年度は3・4%増と半分強の戻りしか見込めない。先行き不安から設備投資の回復が遅く、デジタル化やグリーン化など経済構造転換を加速し、投資意欲を喚起する必要があると考えた。

 経済財政諮問会議で民間議員が示した試算では、既存のコロナ対策のGDP押し上げは2年度に35兆円分発生するものの、3年度は効果が剥落し4兆円分にとどまる。今後はコロナ収束後を見据えて、民間需要を呼び戻す対策が不可欠だ。

 一方、政府はコロナ対策の1、2次補正を通じて真水で計57・6兆円の大型予算を編成したが、国民に一律10万円を配る特別定額給付金の一部が貯蓄に回るなど、景気浮揚の効果は不十分だったとの指摘もある。

 国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しでは、今年の日本の成長率(5・3%減)はコロナ感染者が世界最多の米国(4・3%減)を下回る。与党の歳出圧力で3次補正の規模が拡大するのは避けられそうもないが、対策が十分効果を発揮できるか精査が必要になりそうだ。

 SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「デジタル化やグリーン化に重点を置く方向性は正しいが、メリハリを付ける必要がある」と指摘。コロナ後の出口を見据え実際に経済構造の転換に結び付く対策にすべきだと指摘した。(永田岳彦)

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