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JR東海、東海道新幹線が頼みの綱 JR東はコスト削減1560億円

都内を走る東海道新幹線=東京都千代田区有楽町(寺河内美奈撮影)
都内を走る東海道新幹線=東京都千代田区有楽町(寺河内美奈撮影)

 28日までに今年度の最終赤字見通しと来年度の黒字化という同じ方針を表明したJR東海とJR東日本。しかし、黒字化に向けた具体的な方針は、東海道新幹線という収益の太い幹を持つJR東海と持たないJR東という収益構造の違いから大きく異なっている。

 「観光地は沿線に色々あるし、対面で議論するビジネス需要も変わらない」

 JR東海の丹羽俊介常務は28日の記者会見でこう述べ、来年度の東海道新幹線の乗客は、観光とビジネス客ともに順調に回復するとの見通しを示した。

 丹羽氏は12月で40%、来年3月で60%、6月で80%(いずれも平成30年度比)との具体的な乗客回復の見通しも示しており、「乗客は80%で打ち止めではなく、その後も回復するとみている」と述べた。

 JR東海が前向きな乗客回復見通しを示せるのは、東海道新幹線が日本の東西を結ぶ大動脈であり、かつ政府がコロナの感染防止と経済回復の両立を図る方針を示していることも背景にあるとみられる。

 これに対して、JR東は東海道新幹線ほどの収益の牽引役を持っていない。このため、今年度のコスト削減目標もJR東海の2倍以上の1560億円を掲げたほか、5月から続けている役員報酬の減額を来年の3月まで続けることも発表した。

 また、不動産やホテル、電子商取引(EC)など非鉄道事業の収入を将来的には収入の5割まで増やす目標も示すなど構造改革を強調している。JR東日本幹部は「乗客が8割まで戻れば自然と黒字になるわけではない」と、コスト削減の重要性を強調した。

 ただし収益回復に関してJR東海がみせる自信は、もろさの裏返しでもある。JR東海の運輸収入の9割は東海道新幹線が占めており、業績の浮沈は今後の新幹線の乗客回復が握っている状態だ。

 東海道新幹線の乗客回復の見通しについて、JR東海の丹羽氏は「これまでの数十年の輸送実績の推移から総合的に考えた結果だ」と述べた。しかしワクチンの普及や経済活動の回復など新型コロナに関する楽観を元にした、見通しであることは否定できない。

 JR東海も今年度680億円のコスト削減目標を掲げているが、新型コロナの収束状況によっては、東海道新幹線の乗客回復に頼らない構造改革を進める必要も出てきそうだ。(大坪玲央)

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