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上期の輸出大幅減 中国頼みの回復は危険

 令和2年度上期の貿易統計は輸出がリーマン・ショック後以来の落ち込みをみせたが、9月は下落率が大幅に縮小し、新型コロナウイルスによる最悪期は脱したようだ。牽引(けんいん)役は早期の経済再開に成功した中国。ただ、リーマン時同様に世界経済の“救世主”となるかは疑問視する声が強く、中国頼みでは日本の景気回復も鈍化が避けられない。

 財務省が19日発表した9月の貿易統計によると、中国向けの輸出は3カ月連続で前年水準を上回り、14・0%増(8月は5・1%増)と大幅な伸びをみせた。米国向けも1年2カ月ぶりに増加へ転じたとはいえ、日本の輸出回復は中国頼みの状況が続いている。

 一方、農林中金総合研究所の南武志主席研究員は、「勢いは長続きしない」と指摘する。中国の7~9月期の国内総生産(GDP)成長率は前年同期比こそ4~6月期を上回ったが、前期比は2・7%増と4~6月期(11・5%増)から鈍化した。リーマン後の巨額の経済対策が過剰債務問題などの後遺症を生み、当時のような思い切った景気刺激策は難しい背景がある。

 日本の7~9月期のGDP成長率は前期比年率で2ケタの高い伸びが見込まれる。だが、中国経済のリバウンドが一段落すれば、中国向けの輸出は減速が避けられない。欧米も冬場に向けてコロナ感染が再拡大しており、外需は弱含みそうだ。景気の底打ちを安定した回復基調につなげるには個人消費をはじめ伸び悩む内需の回復が欠かせない。(田辺裕晶)

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