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WTO最終選考に残った韓国 積極的な外交戦略 

韓国の文在寅大統領(聯合=共同)
韓国の文在寅大統領(聯合=共同)

 【ロンドン=板東和正】世界貿易機関(WTO)の事務局長選で、韓国産業通商資源省の兪(ユ)明希(ミョンヒ)通商交渉本部長が選出作業の「最終段階」に残った。WTO加盟国に支持を呼びかけるなど韓国政府の積極的な外交活動が功を奏したとみられる。

 「意外な展開だ」。2候補に絞り込まれた第2ラウンドの選出作業の結果を受けて、英国の貿易業の関係者はそう打ち明けた。歴代の事務局長に女性やアフリカ出身者がいないことから、最終選考となる第3ラウンドでは当初、ナイジェリアのオコンジョイウェアラ元財務相とケニアのモハメド元外相の女性2候補が争うシナリオが予想されていた。

 兪氏が想定以上の追い上げを見せたのは、事務局長選で発言力が強いとされる欧州連合(EU)諸国を中心に支持を獲得したためとみられている。

 韓国メディアなどによると、韓国の文(ムン)在寅(ジェイン)大統領は今月1日のドイツのメルケル首相との電話会談で兪氏の支持を要請。スウェーデンのロベーン首相にも書簡を送るなど外交活動を加速させた。候補者の兪氏も先月からジュネーブやストックホルムを訪問するなど支持獲得に余念がなかったという。欧州では、EU加盟国の大使は兪氏を支持する方針で一致したとの報道もある。

 また、貿易摩擦など米中が対立する中、韓国政府が中立的な役割を果たし、中堅国として先進国と開発途上国の間の仲裁役になれるとアピールした戦略も功を奏した可能性がある。

 2001年のWTO加盟以来、世界経済の中で存在感を増してきた中国はアフリカへの投資を拡大しているという事情を背景にアフリカ出身者が意中の候補とみられている。国際情勢に詳しい東京理科大の平塚三好教授は「中国が推すアフリカ候補を支持すれば、米中対立をあおるリスクがある」とした上で「多くの加盟国は中立的な立場である韓国を支持する無難な選択をしたようだ」との見方を示す。

 EU加盟国などは米中対立回避のために最終選考でも兪氏の支持を強める可能性がある。

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