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WTO事務局長選 韓国の候補残る 日本政府に警戒感広がる

WTO事務局長線の最終候補に残った韓国産業通商資源省の兪明希通商交渉本部長(左)とナイジェリアのオコンジョイウェアラ元財務相
WTO事務局長線の最終候補に残った韓国産業通商資源省の兪明希通商交渉本部長(左)とナイジェリアのオコンジョイウェアラ元財務相

 【ロンドン=板東和正】世界貿易機関(WTO・本部ジュネーブ)は8日、空席となっている事務局長の選出作業で、5候補を2候補に絞り込んだと発表した。韓国産業通商資源省の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長ら2人の女性候補が残り、次の選出作業に進んだ。昨年7月に日本による輸出管理厳格化措置が発動されて以来、日本を批判してきた兪氏が選出される可能性が高まり、日本政府内で警戒感が広がっている。

 事務局長選は、8月末に退任したアゼベド前事務局長の後任を選ぶ。

 WTOは9月7日、事務局長の選出手続きを開始した。手続きは計3回に分けて実施され、同月16日までに行われた第1ラウンドで男女5人の候補に絞り込まれた。同月24日から10月6日にかけて実施された今回の第2ラウンドで、兪氏とナイジェリアのオコンジョイウェアラ元財務相の女性候補2人が残った。

 2候補から次期事務局長を選出する最終ラウンドは今月19日から27日まで実施される予定。ただ、選出作業は原則、投票という形はとらず、加盟国の全会一致が慣例で、米中対立激化により決着が来年までずれ込む可能性もある。 

 兪氏は昨年7月に日本による輸出管理厳格化措置が発動されて以来、対応に関与しており、「WTOなどの国際規範に合致しない」と日本を批判し、措置撤回を要求。韓国政府は今年6月、輸出管理厳格化を「不当」とし、WTOでの紛争解決手続きを再開した。

 韓国からのWTO事務局長選への出馬は3回目。兪氏は、選出されれば韓国人としては初の事務局長誕生となる。兪氏は出馬表明に際し「WTOの国際協調体制の復元・強化は韓国経済や国益に重要だ」と語っており、韓国の国益実現への期待は強いとみられる。

 英メディアによると、オコンジョイウェアラ氏はワクチン開発を支援する国際組織の理事長を務め、WTOを新型コロナウイルス対策に貢献する組織にする考えを強調している。アフリカへの投資を拡大する中国はオコンジョイウェアラ氏を推すとみられるが、米国は反発して兪氏を支持する可能性も指摘されている。

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