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景気崩落底打ちも、回復の足取り鈍く

工作機械受注は企業の設備投資動向を反映しており、景気の先行指標ともいえる(イメージ)
工作機械受注は企業の設備投資動向を反映しており、景気の先行指標ともいえる(イメージ)

 7日発表の景気動向指数は基調判断が13カ月ぶりに景気後退の可能性が高いことを示す「悪化」ではなくなり、新型コロナウイルス感染症による歴史的な景気崩落はようやく底を打った形だ。ただ、感染者数の動向に経済が左右される不安定な状況は変わらず、深刻化する雇用環境をはじめ課題は多い。回復基調を確かなものにするため、ウイルスが活発化する冬場に向けた対応が必要になりそうだ。

 第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは「(緊急事態宣言が解除された)5月を景気の『谷』として、足元ではすでに景気が拡張局面に転じている可能性が高い」と指摘する。

 基調判断は景気の現状を示す一致指数の過去3カ月間の傾向などから判定している。3カ月連続で改善した8月分の指数をもって、上方修正に必要な基準を満たした。景気循環の山と谷の判断は景気動向指数の動きをベースに内閣府の有識者研究会が事後的に判定するが、平成30年10月に始まった後退局面は5月で終了した可能性がある。

 新家氏は指標の改善が続けば、基調判断が12月分で上方への「局面変化」、令和3年1月分で「改善」に上方修正されるとみる。海外経済の再開で輸出や企業の生産が改善しており、夏場に足踏みした個人消費が上向けば、内外需ともに回復基調に乗る期待がある。

 とはいえ、一致指数は3~5月で22・9ポイント低下したのに比べ、6~8月の上昇は8・2ポイントにとどまり、半分も取り戻せていない。新しい生活様式の下、経済活動が抑制されるコロナ禍では、回復の足取りは鈍い。

 今年は南米ペルー沖で海面温度が下がり異常気象を引き起こす「ラニーニャ現象」が発生し、冬場は寒さが厳しくなりそうだ。新型コロナの再拡大やインフルエンザの同時流行が懸念されており、感染拡大を抑制できるか正念場を迎える。

 景気崩落の余波は続いており、8月の完全失業率は3%の大台に乗り、有効求人倍率も求人が求職者を下回る1倍割れが目前だ。今年度で3度目の補正予算の編成も視野に切れ目ない景気対策が求められそうだ。(田辺裕晶)

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