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【主張】ドコモ口座で不正 手口解明し預金者保護を

 全国の地方銀行などで、NTTドコモの電子決済サービス「ドコモ口座」を使って預金が不正に引き出される被害が相次いで発覚した。

 被害者は、身に覚えのないドコモ口座を開設されるなどして預金を抜き取られていた。極めて深刻な事態である。

 不正に引き出された可能性がある金融機関は35行にのぼる。被害者はドコモ利用者とはかぎらない。預金者には、自らの預金に不審な引き出しがないかについて、早急に確認してほしい。

 同時にドコモと金融機関も被害の実態を調べる必要がある。捜査当局も手口などの全容解明を急がなくてはならない。ドコモや銀行による本人確認に不備があったという指摘がある。再発防止に向けて問題点の検証も欠かせない。

 政府はキャッシュレス決済の推進を掲げており、金融機関が異業種と連携して決済サービスを展開する事例が増えている。キャッシュレス決済の拡大を図るには徹底した安全対策が求められる。

 ドコモ口座は、スマートフォン決済や送金などに使われる。利用者がドコモ口座と自分の銀行口座を連動させれば、預金をドコモ口座に入金できる仕組みだ。

 これが不正利用されたのは、本人になりすましてメールでドコモ口座を開設できたからだ。銀行口座と連動させるため、銀行の口座番号や暗証番号が盗み出された可能性もある。異業種連携サービスの隙を突かれたともいえる。

 この事態を受け、ドコモは銀行口座と連動させる新規登録を停止した。ドコモと提携する地銀やゆうちょ銀行などの金融機関を含めて適切に情報提供してほしい。

 今回と似た不正は昨年もあった。被害を未然に防止する対応が十分だったとは思えない。

 預金者保護の観点から、不正で受けた損害の補填(ほてん)は不可欠だ。金融庁は、同様の決済サービスを展開する事業者や銀行に対しても安全点検などを求めるべきだ。

 キャッシュレス決済をめぐる不正では、昨年、セブン&アイ・ホールディングスが始めた「セブンペイ」の不正利用が相次ぎ、サービス廃止に追い込まれた。このときも、本人確認が杜撰(ずさん)だったことなどが被害を招いた。

 使いやすさなど利便性の向上も大事だが、同時に不正利用を防ぐ安全対策も徹底しなければ、利用者の信頼は得られない。

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