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かんぽ、保険商品の本格販売再開は慎重

会見冒頭、一礼する日本郵便の衣川和秀社長と日本郵政の増田寛也社長(右)=26日午後、東京都千代田区(三尾郁恵撮影)
会見冒頭、一礼する日本郵便の衣川和秀社長と日本郵政の増田寛也社長(右)=26日午後、東京都千代田区(三尾郁恵撮影)

 日本郵政グループが、かんぽ生命保険の営業再開に向けた取り組みを表明したのは、今年1月に就任した日本郵政の増田寛也社長率いる新体制の下で、保険の不正販売問題の調査や関係者の処分に道筋がついたと判断したからだ。だが、今年度中は顧客におわびを伝える個別訪問にとどめる考えで、保険商品の販売を本格的に再開する時期は見えない。再スタートに向けた節目になったが、慎重なかじ取りが続く。

 「おわびと顧客本位の決意を伝えることで、第一歩を踏み出す」。増田氏は26日の記者会見で営業再開についてこう語った。

 再開に向けては契約者の権利回復など満たすべき条件を設定。7月に外部の有識者委員会から「営業再開の条件をおおむね満たしている」とのお墨付きを得た。この1カ月間は増田氏を含めた幹部らが現場に赴いて社員らの声を聞き「顧客にできるだけ早く会ってきちんとしたおわびしたいという声が多くあった」と明かす。

 もっとも、まず解禁するのは、あくまで謝罪とともに生まれ変わった会社の姿勢を伝える「おわび行脚」だ。増田氏は「二度と間違いは許されない。信頼回復を丁寧にやっていくということで、今回の手順を取った」と説明した。

 かつての積極的な保険商品の販売を「ただちに行うつもりは毛頭ない」とも言い切る。顧客に郵政グループの新たな姿勢が伝わり、信頼回復が進捗(しんちょく)するのには時間がかかるとみており、「今年度いっぱいはおわび行脚だけで精いっぱい」との見方だ。

 慎重さの背景には、今後も同様の問題が再発しないかとの懸念がにじむ。実際、7月末には保険商品と投資信託を同じ顧客に販売した際に虚偽の説明をするなど法令に違反した疑いがある事例が新たに判明。コンプライアンス(法令順守)意識の低さが疑われる事態に歯止めがかかっておらず、体質改善にはなお時間を要しそうだ。

 「社内外の反応を見極めたいのではないか」(関係者)との見方もある。昨年は信頼回復が不十分なまま再開を表明し「見切り発車」と批判を受けて頓挫することを繰り返した。本格的な販売再開には極めて慎重な姿勢で臨む意向だ。(万福博之)

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