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かんぽ不正も、販売再開は表明せず 信頼回復へ慎重なかじ取り

 日本郵政グループは29日、かんぽ生命保険の不正販売を受けて自粛中の保険販売について、再開の表明を見送った。不正販売をめぐる調査や処分が進んだことで再開は視野に入ってきた。一方、信頼回復に向けた改革はまだ途上との指摘があることなどを踏まえ、約1年に及ぶ自粛の解除には慎重な検討を重ねる意向だ。

 「まだやるべきことがある。来月以降の取締役会での決議を考えている」。日本郵政の増田寛也社長は29日の会見で販売再開についてこう言及した。

 日本郵政は販売再開に向け、契約者の利益回復や社員の処分など5つの満たすべき条件を設定。16日には外部の有識者委員会から「おおむね条件を満たしている」とのお墨付きも得た。だが、今月の取締役会では「役員の意見に幅があった」といい、早期再開には慎重な姿勢を維持した。

 背景には社員の再教育や管理態勢の強化を図っているものの、コンプライアンス(法令順守)がいまだに徹底されていない現場への憂慮がある。

 6月には、新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受けた個人事業主らが対象の「持続化給付金」をめぐり、販売自粛で収入が減った日本郵便とかんぽ生命の社員が給付金を申請したことが判明。4月と7月には、内容証明を取り扱う特別な資格を持つ日本郵便社員が必要な承認を得ずに兼業していたことが分かり、総務省から行政指導を受けた。

 これらは、問題の根幹であるガバナンス(企業統治)において、抜本改革が途上であることの表れだ。増田氏は「組織風土は一朝一夕では変えられない」としつつも「いくつか仕掛けを考えており、それをきちんと確認したい」と語った。

 郵政グループでは販売を再開しても当面は積極的な営業を行わず、おわびとともに生まれ変わった会社の姿勢を伝える「おわび行脚」(増田氏)を展開していく方針だ。再開に向けては販売再開の意味合いを「社内全体に浸透させる必要がある」とも増田氏は指摘する。

 日本郵政ではこうした積み残しの案件や体質改善の取り組みを進めながら、8月以降の取締役会で再開時期について議論する予定だ。(万福博之)

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