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三菱自、国内工場を一部閉鎖へ コロナで市場見通せず

中期経営計画を電話会見で発表する三菱自動車の加藤隆雄最高経営責任者=27日(同社提供)
中期経営計画を電話会見で発表する三菱自動車の加藤隆雄最高経営責任者=27日(同社提供)

 三菱自動車は、令和5年3月期(4年度)までの中期経営計画で国内工場の一部閉鎖に追い込まれた。日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告が三菱自会長でもあった時代の「台数優先」戦略のツケが収益力をむしばみ、3年3月期(2年度)に巨額赤字を余儀なくされるためだ。絶頂期の象徴でもあるスポーツ用多目的車(SUV)「パジェロ」も完全撤退し、「選択と集中」で生き残りを図るが、新型コロナウイルス禍で市場の回復が見通せない中、計画達成には暗雲も漂う。(今村義丈)

 「新型コロナは関係ない。(全体の)拡大戦略に無理があった」。加藤隆雄最高経営責任者(CEO)は電話会見で、パジェロ撤退の質問にこう語った。

 三菱自は平成28年、燃費データ不正問題に端を発した危機から脱するため、日産からの出資を受け入れた。ゴーン被告が三菱自会長を兼務し、翌29年に策定されたのが、3年間で販売台数と売上高の「30%以上増」を掲げた前の中期計画だ。東南アジアだけでなく日本、米国、中国などでも拡大を目指す「全方位戦略」で、令和元年度の世界販売台数130万台を目指したが、結果は112万7千台にとどまった。

 悪影響がさらに大きかったのが、前中期計画のコスト最適化策を達成できなかったことだ。開発費や生産・物流コストも含む「モノづくり総コスト」を年1・3%減としたが、実際には人件費も含む固定費が1・3倍に膨らみ、収益構造は悪化した。

 新中期計画では、経営資源を東南アジアに集中して新工場を検討する。得意の電動化技術「プラグインハイブリッド」も強化。販売台数は105万台と縮小するが、本業のもうけを示す営業損益を、3年3月期(2年度)予想の1400億円の赤字から500億円の黒字に引き上げ、本業の稼ぐ力を示す営業利益率(売上高に占める営業利益の割合)2・3%を目指す。

 だが、新型コロナで東南アジア全体の市場がどうなるか見通せないことは、加藤氏も認める。人員削減目標も設定しておらず、V字回復をもくろむ計画が再び達成できないリスクをはらんでいる。

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