PR

ニュース 経済

リニア静岡工区 条例手続きの先行否定 知事が被災した林道視察

リニア中央新幹線の工事予定地への林道を視察後、取材に応じる静岡県の川勝平太知事=21日午後、静岡市
リニア中央新幹線の工事予定地への林道を視察後、取材に応じる静岡県の川勝平太知事=21日午後、静岡市

 リニア中央新幹線の静岡工区が着工できていない問題で静岡県の川勝平太知事が21日、南アルプストンネル工事の各ヤード(作業基地)に通じる林道東俣線を視察した。JR東海が希望するヤード工事を行うには県条例に基づく協定を結ぶ必要があるが、川勝知事はこの日、林道の復旧作業完了前に条例に基づく手続きを先行させることについて「そんなことはしない」と否定。改めて準備工事の早期着手は認められないと強調した。

 この林道が今月発生した豪雨などで被災して寸断され、現在は各ヤードまで到達できない。川勝知事は従来、林道復旧が完了して作業員の安全が確保されることが工事着手の前提だと主張している。

 この日、川勝知事は林道入り口から約3・8キロ地点の大井川河川敷に下り立った。この河川敷は先月まで整地されて仮設道路として使用されていたが、今は冠水して流木が積み重なり、車でその先へ向かうことはできない。通行止めを示すポールの前で川勝知事は「この道は車が通れない。一番に作業員の安全を図るべきなのに、これで工事をさせてくれというのは机上の空論だ」と力説。林道が被災したにもかかわらずヤード整備の早期着工を求めるJR東海や国土交通省を批判し「林道は上から削られている。現場を見れば工事ができるかどうかは一目瞭然だ」と訴えた。

 林道東俣線は静岡市葵区田代の南アルプス山中を走る約27・3キロの狭い一本道で、大半が舗装されていない。昨秋の台風19号で被災して一部が通行できなくなり、約1キロの区間で大井川河川敷を仮設道路として利用していた。ところが今月の豪雨により、今度は仮設道路が流された。

 JR東海によると、リニア関連の作業員は、12日までに全員が静岡工区から退避した。県森林整備課によると、林道は仮設道路内2カ所を含む少なくとも計4カ所で寸断されている。

 静岡工区をめぐっては、JR東海が東京・品川-名古屋間の2027(令和9)年の開業目標実現のため、ヤード工事の早期着手を希望。国土交通省が9日、環境への影響が軽微と認められる範囲で工事を認めるよう県に提案したが、川勝知事は「坑口整備は本体工事と一体だ」として同意していない。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ