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米、失業給付「高すぎ」 雇用改善の足かせと批判も

 【ワシントン=塩原永久】米国で新型コロナウイルス感染拡大に伴う雇用悪化が続く中、職を失った人に支払われる失業保険給付が「手厚すぎる」との批判が、政府や議会から出ている。現在、経済対策の一環で週600ドル(約6万4千円)が上乗せされており、失業者の収入が就業中より多くなるケースがあるためだ。仕事に戻る意欲を妨げているとの見方から、雇用改善の“秘策”として職場復帰した人に「ボーナス」を支払う案まで出ている。

 3月に成立した大型経済対策は、連邦政府が失業者に週600ドルの追加給付を行う支援策を盛り込んだ。失業者が州政府を通じて受け取る、通常の失業保険給付に上乗せされるもので、野党・民主党の肝いりの政策として実現した。

 全米で経済活動が再開され、失業率は6月に11・1%に改善した。だが、南部や西部で感染者が増加し、感染症の「第2波」到来に現実味が帯びている。さらなる雇用悪化の懸念もあるが、政府や与党・共和党は失業者への追加給付が割高だと批判している。

 「労働者に職場に戻る気を起こさせるため、寛大な追加給付は再考すべきだ」

 下院共和党の幹部、ブレイディ議員は米テレビでそう話し、営業を再開した飲食店経営者から、「働き手が戻ってこない」との声が出ていると打ち明けた。

 実際、低賃金の職種では就業中より収入が増えるケースがあり、一部の労働者が「失業」を選んでいるとの指摘があった。シカゴ大学の試算によると、追加給付の受給者の68%が、失業前より所得が多くなった。

 そのため、ブレイディ氏は、仕事に戻れば1200ドルを支給する「職場復帰ボーナス」を提案。ほかの共和党議員からも同様の報酬案が提唱されている。

 週600ドルの追加給付は今月末に期限切れとなるため、労働者保護を打ち出す民主党は、給付延長を主張している。一方、トランプ米政権と共和党は、給付撤廃や給付額の大幅削減を求めており、月末に向けて論戦が本格化する見通しだ。

 ただ、感染拡大を受けて西部カリフォルニア州が店舗営業規制の再導入を発表し、雇用を下押しする動きが顕在化してきた。大統領選を控える中、政権と共和党が厳しい給付削減を断行すれば、労働者層を支持基盤とする民主党を利する可能性もあるだけに、トランプ米大統領と与党は難しい判断を迫られそうだ。

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