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JR東海、静岡県との溝埋まらず 沿線自治体に戸惑い

リニア中央新幹線の試験車両「L0系」=山梨県都留市のJR東海山梨リニア実験センター(渡辺浩撮影)
リニア中央新幹線の試験車両「L0系」=山梨県都留市のJR東海山梨リニア実験センター(渡辺浩撮影)

 JR東海がリニア中央新幹線の令和9年開業の延期を事実上表明した背景には、静岡県の反発と工期短縮の難しさがある。しかしリニア計画には防災上の意義もあるうえ、沿線自治体などが9年開業を前提とした街づくりを進めているだけに、JR東海には新たな開業時期を含めた事業計画の早期公表が求められる。

 JR東海は3日のコメントで9年開業が困難な理由について、静岡県がヤード(作業基地)の整備を認めないことを挙げた。一方の静岡県は国土交通省の有識者会議などの大井川の流量減少対策に関する結論が出ていないことなどから整備の着手を認めておらず、当面は両者の溝は埋まらないとみられる。

 そもそも静岡工区のトンネル工事は難工事が予想され、ゼネコン首脳は「建設技術からみても工期を短縮できる要素は見当たらない」と話す。JR東海の金子慎社長も「完成までは(トンネル工事に)7年7~8カ月かかる」とする。

 しかし引き続きリニア計画実現の重要性は高い。東海道新幹線が太平洋沿岸を通るため災害の影響を受けやすい一方、地下を走るリニアは災害に強く、金子氏は「災害が起きてからリニアができていれば(と後悔する)ということはないようにしたい」と強調する。

 着工の遅れは沿線自治体への影響も大きい。愛知県の大村秀章知事は「名古屋駅周辺の再開発などを進めているが、開業が遅れると、期待した効果が得られない」と懸念する。

 住宅街だった場所に新駅を建設する予定の長野県飯田市はこれまで住民への移転要請などの対応を進めてきた。同市の担当者は「予定通りの開業を期待する市民もいる。今は9年開業を見据えて粛々と(街づくりを)進めていく」と述べた。(大坪玲央、岡田美月)

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