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苦い経験「もうさせない」 N700S、停電でも走行 東海道新幹線の新型車両

東海道新幹線の新型車両「N700S量産車」=JR東京駅
東海道新幹線の新型車両「N700S量産車」=JR東京駅
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 東海道新幹線に7月1日デビューする新型車両「N700S」は、リチウムイオン電池のバッテリーを搭載しており、停電しても安全な場所まで自力走行ができトイレも使える。2年にわたる走行試験を担ったJR東海の運転士、増井浩介さん(36)は、かつて停電のためトンネル内で立ち往生した列車の乗務を経験。「お客さまに不便な思いをさせない車両になった。丁寧な運転を心掛けたい」と話す。

 平成29年10月。増井さんが車掌として乗務した列車は、岐阜羽島-米原間でストップした。台風による大雨で漏水が発生し、付近は停電。列車は数時間にわたり、暗いトンネル内で身動きが取れなくなった。

 「トイレも使えず、空調も止まった。一刻も早くお客さまに不快な状況から脱出してもらうことだけを考えた」と増井さん。苦い経験が脳裏にこびりついている。約半年後の30年3月。増井さんは上司から新型車両の専属テストドライバーへの打診を受けた。JR東海の新幹線運転士約800人からわずかに2人だけの名誉に「ぜひ」と即答。「みんながやりたい仕事。うれしさと同時に失敗できないという緊張感が芽生えた」と振り返る。

東海道新幹線の新型車両「N700S」の前でポーズをとるJR東海の運転士、増井浩介さん=JR東京駅
東海道新幹線の新型車両「N700S」の前でポーズをとるJR東海の運転士、増井浩介さん=JR東京駅
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