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米株価下落 コロナからの「V字回復」楽観論吹き飛ぶ 

 国際金融市場が再び動揺に包まれた。米国株は11日に史上4番目の下落幅を記録した。政府や連邦準備制度理事会(FRB)による政策総動員が、新型コロナウイルスの打撃を受けた景気の「V字回復」につながるとの楽観論が吹き飛んだ。期待先行で急回復し、過熱感が出ていた株式相場は急速に冷え込んだ。

 主要な米株式指数は、5月下旬以降に上昇基調を強めた。今月初めに発表された雇用統計で失業率が改善したことから、「景気悪化の最悪期を脱した」との見方が浮上した。

 それだけに、10日にFRBが示した雇用改善の先行きへの厳しい見通しで、市場で広がったV字回復への期待感は一気に消え去った。

 米国では、南部を中心に感染者が増加傾向にあり、「第2波」への警戒も高まる。ニューヨーク州やカリフォルニア州で、経済活動を停滞させる営業・外出規制が再び強化される事態も現実味を帯びる。

 米実質国内総生産(GDP)が4~6月期に戦後最悪の水準に落ち込む可能性すらある中、株価が上昇してきたのは、米政府の財政出動やFRBの全面的な政策支援も一因だ。

 だが、景気のバロメーターとなる雇用の復調までには「数年かかる」(FRBのパウエル議長)。景気回復の遅れへの懸念が強まり、トランプ米政権幹部からは、追加対策となる家計への現金給付の第2弾を「真剣に検討している」(ムニューシン財務長官)との声もあがる。

 一方、白人警官による黒人暴行死事件で与野党の対立は一段と深まり、追加経済対策の法案審議は難航が必至だ。株価を押し上げてきた政策要因は当面、期待できない。

 エコノミストの豊島逸夫氏は「投資家の間では、誰が最初に飛び込む(売る)かという話になっている。3月の株価下落局面とは違って、今は新型コロナに加え、米中対立や米大統領選の動向にも注意が必要だ」と指摘し、不安定な値動きを予想する。株価急落が一時的な調整に終わるか、3月に続く「二番底」まで滑り落ちるか、正念場を迎えた。(米沢文、ワシントン 塩原永久)

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